アフガンで大ヒット、嫁しゅうとめの確執描く連続ドラマ
カブール(ロイター) 毎日午後8時半になると、老若男女がテレビの前にくぎ付けに――。
アフガニスタン各地で最近、こんな現象が目立っている。インドで制作された連続ドラマが、
国民的な人気を呼んでいるのだ。題名を日本語に訳すと「しゅうとめもかつては嫁だった」。
家庭内の問題をリアルに描いた内容が、共感を集めているという。
ドラマの主人公は、トゥルシという若い女性。貧しい家庭に育ち、恋愛結婚をするが、
婚家でしゅうとめのひどい仕打ちを受ける。インドで数年前から放送されているヒンディー語の
作品を、アフガンで広く使われるダリー語に吹き替え、民間放送局「トロテレビ」が
今年から流し始めた。
テレビ解説者のファルザナ・サミミ氏によれば、アフガンで家族ものの連続ドラマが
放送されるのは初めて。「身の回りによくある問題を取り上げているため、家族関係を
見直すきっかけになっているようだ」と、サミミ氏は語る。ドラマの舞台はインドだが、
日常生活の様子や家庭内の上下関係など、アフガン文化との共通点が多いのも、
人気の一因だという。
「アフガン史上最大のヒット番組」と呼ばれるほどの人気ぶりには、当のトロテレビも
驚いているようだ。局には「もっと見たい」「コマーシャルが邪魔だ」など、連日視聴者からの
電話が殺到。「イスラム教の礼拝時間と重なるので、放送時間を変えてほしい」といった
要望が寄せられることもある。
カブール市内ではドラマのヒットと同時に、家庭用発電装置の売り上げが急増した。
頻繁に起きる停電で、放送が途切れる恐れがあるためとみられる。高価な発電装置が
買えない家庭では、テレビを車のバッテリーにつないで停電に備える。
トロテレビのディレクターによれば、ドラマの放送時間に合わせ、結婚披露宴などが
中断されるケースが各地で相次いでいる。一方、北部マザリシャリフでは最近、
人々がドラマに熱中する時間帯を狙い、車のタイヤやミラーを盗んだ泥棒の
例も報告されている。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200605280001.html