イラク:パレスチナ難民が国境地帯の砂漠で立ち往生
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宗派・民族対立が激しさを増し、治安悪化に歯止めのかからないイラクから逃れようとした
パレスチナ難民が隣国シリアへの入国を拒まれ、国境地帯の砂漠で立ち往生している。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がシリア政府に受け入れを働き掛けているが、
事態打開のめどはたっていない。
UNHCRによると、13日に67人、14日に54人が入国を拒否された。
難民数はその後も増え続け、17日現在、230人余が国境地帯で行き場を失っている。
イラクにはバグダッドだけで約2万3,000人のパレスチナ難民が暮らしており、
多数がシリア国境へ向け移動しているとの情報があるという。
パレスチナ難民はフセイン政権から保護されていたとしてイラク人から恨みを買い、
03年4月の同政権崩壊後は迫害の対象になった。
特に今年2月にイラク中部サマラで起きた
イスラム教シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件以降、
バグダッドに住んでいた100世帯以上に殺害予告の手紙が届くなど、
パレスチナ人に対する攻撃や中傷が激しくなった。
身の危険を感じ、イラク脱出を目指す一部の難民が
3月からシリアへの入国を求めて国境近くに集まり、テント生活を続けていた。
シリアは今月9日に約250人の入国を認めたが、
その後、理由の説明もなく、「これ以上の難民は受け入れない」と表明、
UNHCRの働きかけにもかたくなな姿勢を崩していない。
UNHCRなどが国境地帯のイラク側に支援物資を届けるのは困難で、
難民たちは極めて厳しい状況に置かれているという。
UNHCR関係者は「シリアは大量のパレスチナ難民が殺到するのを懸念しているようだが、
受け入れてくれるようなんとか説得したい」と話している。
★ ソースは、毎日新聞 [日本] とか。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060518k0000m030132000c.html