車いす武道家:オランダ人がスポーツ会議で技披露 熊本
熊本市で開かれている世界女性スポーツ会議で13日、参加者向けの武道体験会が
あった。合気道師範で「車椅子の武道家」として知られ、障害者の社会参加を進める
リディア・ラリビエール・ザイデルさん(55)=オランダ=が合気道の技を披露した。
車椅子のままで相手の攻撃を受け流したり、手首を取って倒したりしてみせ、
大きな拍手を浴びた。
リディアさんは欧州議会やEU各国に男女均等政策を提言する「欧州女性ロビー」委員
としてスポーツ会議に参加している。12日に基調講演し「女性も障害者もスポーツ
できる環境を整えることが重要だ」と訴えた。
車椅子生活になったのは1982年。交通事故で下半身不随になったためだ。
一時期は絶望の淵(ふち)に落とされたが、友人が送ってくれた1冊の武道の本が
転機になった。
「合気道は肉体的な強さでなく内なる強さがすべて」。本の一節に目が留まり、
そして勇気がわいてきた。「足なんか必要ないんだ」
車椅子でも受け入れてくれる合気道の道場を見つけ入門、翌年からは空手も始めた。
「障害があってもできる楽しさを、他の人にも広めたい」と師範の資格を取った。
空手3段でもあるリディアさんの特徴は“待ち”だ。「相手は攻撃するため
必ず間合いに入る。自分から動く必要はないんです」。健常者相手の大会にも出場、
頭を狙ってけりを放つ相手の内側に入り、太ももを正拳で突く技を得意としている。
障害者に合気道や空手の指導を続けるリディアさんは「武道を学ぶ達成感で自信を持ち、
引け目を感じずに暮らすことが出来る。社会がその努力を認め、障害者をチームの一員と
認めることで本当に公平な社会が生まれると思う」と話す。
リディアさんにとって、障害者の社会参加は女性の地位向上と共に一生のテーマだ。
毎日新聞 2006年5月13日 21時40分 (最終更新時間 5月13日 23時10分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20060514k0000m040077000c.html 画像:合気道の技を披露するリディアさん(中央)=熊本市の振武館で13日、谷本仁美写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/images/20060514k0000m040090000p_size6.jpg 関連スレ
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