監獄マッチ:10年の刑のタイ選手が日本選手に判定負け
【バンコク浦松丈二】
ボクシングのWBC女子ストロー級の世界タイトル戦が10日、バンコク郊外にある
少年犯罪者の更生施設(刑務所)で行われた。麻薬密売の罪で10年の刑に服している
シリパン・ソーシリパン選手(23)が、世界王者タイトル初防衛の菊地奈々子選手(31)
に挑戦したが、判定で惜しくも敗れた。
シリパン選手は2年前から施設の更生プログラムとしてタイ式キックボクシングを
習い始めた。世界タイトルを手に入れれば、残り6年の刑期が2年に短縮される
とあって気合いも十分だ。リングは鉄条網に囲まれた施設内に設けられ、
チッチャイ首相代行らタイ政府要人も「監獄マッチ」の応援に駆けつけた。
試合は、ボクシング歴5年の菊地選手が王者の貫禄をみせて正確なパンチを連打、
挑戦者は「一発」を狙う大振りで応戦。試合は最終10ラウンドまでもつれこみ、
判定はジャッジ3人ともに菊池選手。両選手は抱き合って互いの健闘をたたえた。
毎日新聞 2006年5月10日 21時19分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060511k0000m040097000c.html