■イラン大統領の書簡、イランにとっては時間稼ぎに=アナリスト
[国連 9日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領がブッシュ米大統領に送っ
た書簡について、アナリストは9日、米国を対イラン交渉の場に引き出す効果はなさそうだ
が、イランににとっては、核計画を実施するさらなる時間が得られるほか、地域リーダーとし
ての立場を改善させられる可能性がある、との見方を示した。
アハマディネジャド大統領が送った18ページにわたる書簡は、米国が2003年にイラク
を攻撃する前にイラクの大量破壊兵器疑惑に関してうそをついた、と示唆、ブッシュ大統領の
キリスト教の価値に関するコミットメントにも疑問を投げかけた。
これに対し、マクレラン米大統領報道官は8日、書簡はイランの核問題に関する懸念に応え
ていないとの認識を示している。
アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・ルービン氏は、書簡は国際社
会の関心を引くことを狙ったもの、と指摘。
一方、ラジオ・リバティのイラン関連専門家ウィリアム・サンミー氏は、書簡が出たタイミ
ングが、イランがウラン低濃縮に成功して、核問題をめぐる国際議論で一定の主導権を握るこ
とができるのではないか、と考えている「強気」な状況という点を重視している。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の中東問題責任者ジョン・アルターマン氏は、書簡を
「イランが、議論が始まろうとする直前になって議論の条件を変更するという古典的な例」と
指摘している。
出典:(ロイター) - 5月10日13時20分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000728-reu-int