ロシアでワイン価格の上昇がとまらない。四月上旬に旧ソ連構成
国で反露的なグルジア、モルドバへの経済制裁として両国からの
ワイン輸入停止を決めてからすでに10%上昇しているが、六月末
までにさらに30%の上昇が見込まれている。
モスクワなどでは健康志向からワインなどの人気が高まっており、
市民らは思わぬ被害を受けた形だ。
現地報道によれば、ロシアでは禁輸措置で製品が販売できなく
なっただけでなく、ロシア産ワイン原料の半分を占めるモルドバ産
原料輸入もストップ。これがワインの値上がりに拍車をかけている。
モルドバワインはロシア国内シェアの44%を占めていた。輸入業者
は緊急措置として、ブルガリアからの輸入を増やしている。
ロシアでのワイン騒動は、保健衛生当局が三月末、「グルジア、
モルドバ産ワインの約半分は、重金属や農薬などの有害物質を含
んでいる」と発表したことが発端。両国の製造業者らは「欧州にも
輸出されており安全性に心配はない」と反発したが、ロシア政府は
四月に入り、輸入・販売を禁止。両国は大きな痛手を受けている。
ワインの輸入停止は、両国がロシアの世界貿易機関(WTO)加盟
に異議を唱えたことにロシア政府が激怒したためとみられており、
解禁には、首脳同士の政治決着しかないとみられている。ロシアの
市民にとって、しばらくの間、ワインは高根の花となりそうだ。
ソース:フジサンケイビジネスアイ
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200605080006a.nwc