◇モナコ巨額詐欺事件の裁判開始、被害の投資家数百人
モナコ――地中海に面したモナコ公国で28日、投資家に巨額の損害を
不当に与えたとして、米国籍の起業家らに対する裁判が開廷した。
これまで同国で開かれた裁判では最も大規模な訴訟になるという。
米国籍の起業家、ウィリアム・ホッブス・フォグウェル被告(71)が経営する
証券仲介会社ホッブス・メルビル社は2000年に経営破綻(はたん)し、
1億4000万ユーロ(約199億円)の損益を出した。
同社は年率30%から60%の投資家に利益還元を約束し、
短期取引向けに総計800万ユーロの資金を集めていた。
被害を受けた投資家は約500人に達すると見られ、
うち300人が50人の弁護とともに裁判に臨む。
起業家の娘、シェリー・フォグウェル被告(45)には、経営破綻に絡む
小切手偽造などの首謀者との容疑がある。2005年にスペインで
逮捕され、身柄をモナコに移されていた。被告は無実を主張している。
有罪が決まれば、最高10年の禁固刑判決を受ける可能性がある。
共犯者とされる3人は国外逃亡中。現時点で被害金額はほとんど
回収されていない。起業家本人は現在、ベラルーシの首都ミンスクに
滞在中との情報もある。
昨年4月に死去した故レーニエ大公はモナコへの企業誘致で、税制面で
優遇措置を打ち出し、世界各国から企業が集まる。しかし、「資金洗浄」
の温床との批判が近年強まり、後継者アルベール皇太子は金融犯罪の
摘発による汚名返上、イメージ改善を図っている。
ソース(CNN)
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200603300024.html