■ロシア WTO年内加盟に赤信号
ロシアが目標としてきた世界貿易機関(WTO)の年内加盟に赤信号がともり始めた。加盟
に必要な二国間協議で、米国などとの合意づくりが難航しているのに加え、多国間協議でも具
体的な成果を上げられず、ロシアは大幅な軌道修正を迫られそうだ。
WTO加盟には、加盟希望国と加盟国全体との多国間協議に加え加盟国のうち事前交渉を希
望する国との二国間協議の両方をまとめる必要がある。23日、多国間協議がスイス・ジュ
ネーブで行われたが、AFP通信などによると、知的所有権や農業、金融分野などで交渉が行
き詰まり、進展が見られなかった。ロシア国内でのDVDの違法コピー防止策を求める加盟国
側に、ロシア側は十分な対策を示せなかったものとみられる。
WTO側の代表、ステファン・ヨハネソン氏は協議後の記者会見で「進展には極めて不満足
だ」と述べ、合意に向けた課題が極めて多いとの見解を示した。ロシア交渉団のメドベドコフ
団長は「秋ごろまでには年内加盟の可否がわかる」と述べ、今年6月にロシアが主催するサ
ミット(先進国首脳会議)までの決着を断念。2007年以降にずれ込む可能性を示唆した。
ロシア代表団によると、二国間協議では、米国、豪州、コロンビアを除き、ほぼ合意に達し
たものの、米国との協議では、米国系金融機関のロシア国内での支店開設をめぐる話し合いが
難航。ロシア側は外貨管理を狙い、米銀に支店でなく現地法人設立による進出を求めており、
これに米国が反発。合意のめどは立っていない。
ソース:FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200603270001a.nwc