◇愛犬がモーターを動かす日は遠くない
地球温暖化の脅威や高騰する石油価格を受けて、代替エネルギーに
スイス企業は目をつけている。それは動物の死骸からディーゼル燃料を
作ろうというものだ。
しかし、愛するペットが「マイカーのガソリンに終わる」という見通しには
抵抗のある人も多く、このアイデアに賛否両論が飛び交っている。
世界中でエネルギー消費は増え続けるばかり。石油資源は無限ではないうえ、
石油燃料を大量に燃やすため加速される温暖化現象がともなって、世界では
新しいエネルギー資源の模索にやっきになっている。
ある国では菜種や穀物などの食物繊維を基にしたバイオ燃料(食物資源を
再生すれば大気中のCO2濃度を上昇させずに済むバイオマスエネルギー)を
奨励する方針だ。スイスでは動物の粉や脂(あぶら)からエンジン用燃料を
作ろうという試みがなされている。
10年前までは家畜肥料に
最も大きなプロジェクトはスイス全土の半分以上の動物残滓(ざんし)を扱う
セントラボGZM社(Centravo- GZM)だろう。同社のゲオルグ・へリガー氏は
「毎年10万トン以上の動物の骨や残滓が屠殺場や地方の動物集積収容所から
我々の施設に運ばれてきます。これらの物質からは二つの成分を摘出することが
できます。それは脂と動物性粉末飼料です」と説明する。
10年前まではこれらの成分は全てリサイクルされていた。動物性粉末は、家畜の
飼料や肥料を作るのに使用されていた。しかし、1990年代に狂牛病の発生で
牛や羊達に肉食を強いることはなくなった。この動物性粉末飼料が狂牛病の
病原体とされるプリオンをつくる原因と疑われて以来、使用が禁止されたからだ。
それ以来、動物の残滓は衛生上の理由から燃やされ、
その灰は一般にセメントを作るのに利用されている。
(中略)
倫理的に抵抗が…
GZM社はこの工場を造るために政府からバイオ燃料を生産することで減税が認められることを
期待している。環境面でも動物油脂から作られるバイオディーゼルは植物油脂から
抽出されるものよりも優れているといえる。「バイオディーゼルでも、植物性のものは菜種など
農産物を栽培しなければなりません。われわれのディーゼル・プラスは、既に存在する動物の
個体をただ燃やすだけですから」とヘリガー氏は強調する。
しかし、この燃料生産に抵抗する声もある。それは、この燃料の資源がペットなどの死骸を
収拾する動物集積収容所からも来ることにある。愛犬が愛車のエンジンの燃料になることに
嫌悪感を感じる人もいるだろう。
それでも、ヘリガー氏は「自分のペットを犠牲にしろと言っているのではありません。飼い主は
動物の死体を埋めるか火葬することも選択できるのですから」と反論する。それでも、
動物保護団体は「長年、一緒に暮らした家族同然のペットが燃料か何かに
変身してしまうことは想像できない」と眉をひそめている。
ソース(スイス国際放送)
http://www.swissinfo.org/sja/swissinfo.html?siteSect=105&sid=6497127&cKey=1141379681000 ▽スイス-wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9 私の豚猫が、ハイオクに変る?今すぐにZ32の燃料に.....