イランの核開発問題を巡り、同国外務省のアセフィ報道官は12日、ウラン濃縮をロシア国内で実施する
とのロシアの妥協案(ロシア案)はもはや協議できないと明言、国連安保理が決議でイランにウラン濃縮の
停止を要求しても受け入れない構えを示した。同国のモッタキ外相も原子力平和利用の権利が認められ
なければ核拡散防止条約(NPT)から離脱することもあり得るとの考えを示唆しており、今週中に予定され
ている安保理審議入りを前にイランは欧米けん制の姿勢を強めている。
AP通信によると、アセフィ報道官は12日、ロシア案について問題が安保理に付託された現状では「もは
や討議対象ではない」と表明、同案に代わってイラン国内での大規模なウラン濃縮を計画していると述べ
た。同報道官は「我々は常任理事国5カ国の対応を見極めたい。大規模なウラン濃縮(計画の実施)につ
いては2、3日待ちたい」と安保理審議の行方を見て決める考えを示した。
また、AFP通信によると、モッタキ外相は12日、テヘランで開かれたアジアのエネルギー・安全保障に関
する国際会議で報道陣の質問に「現存する体制がイラン国民に権利を与えないものだとの結論に至った
場合にはイランは政策を変更するだろう」とNPT脱退も選択肢の一つとの考えを示した。だが、同時に「現
在はまだ交渉の余地があると思っている」と外交解決の可能性に含みを残した。
ロイター通信によると、モッタキ外相は同会議で「イランはアジアに石油を供給し、石油を政治的な道具と
して使う意図はない」と説明した。アフマディネジャド大統領は9日、制裁が科されれば「西欧は(イランより
も)苦しむことになる」と述べ、石油の輸出制限などの措置発動を警告したばかり。「石油カード」の発動に
関してはイラン政権内部で発言に温度差があり、外相発言は国際社会の懸念鎮静が狙いとみられる。
毎日新聞 2006年3月12日 21時25分
ソース:読売新聞
(´・ω・)つ【
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060313k0000m030084000c.html】