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IAEA イラン討議始まる
IAEA・国際原子力機関の理事会は、日本時間の午後6時すぎからイランの核開発をめぐる本格的な話し合いに入りました。
制裁も検討できる国連の安全保障理事会での議論を前に、各国はイランに対しウラン濃縮を停止し、交渉による事態の打開を目指すよう、強く促す見通しです。
6日からウィーンで開かれているIAEAの理事会は、8日午前、日本時間の8日午後6時すぎから、イランの核開発問題について本格的な話し合いに入りました。
理事会を構成する国々は、イランが、今のように一方的にウランの濃縮を行い、規模も拡大させる構えをみせているのは、
欧米各国などとの対立をあおり、緊張を高めるだけだと懸念しています。
このため各国はイランに対し、まずウランの濃縮を停止し、ロシアやヨーロッパの国々との交渉を通じて事態の打開をはかるよう、強く促す見通しです。
理事会では、イランも声明を発表する見通しで、各国からのウラン濃縮の停止の求めにどのような反応を示すかが注目されますが、
イランが強硬姿勢を崩さなければ、この問題は、制裁も検討できる国連安保理の対応が焦点になってきます。
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/03/08/k20060308000179.html http://www3.nhk.or.jp/news/2006/03/08/d20060308000179.html
IAEA:イラン核問題の議長総括を了承し、閉幕
【ウィーン会川晴之】国際原子力機関(IAEA)の3月定例理事会は8日、イランに
ウラン濃縮活動の即時停止や、欧州連合(EU)など関係諸国との交渉を早期に
再開するよう求める議長総括を了承し、閉幕した。外交交渉が手詰まりにある中、
欧米など西側諸国を中心に安保理審議の早期開始を求める意見が大勢を占めており、
イラン問題は今後、国連安保理での審議に焦点が移る。
議長総括は、各国がこの日の理事会で読み上げた声明を議長が裁量により取りまとめた。
了承された総括は安保理に送付される。IAEA理事会はすでに2月の緊急理事会で、イラン
問題の安保理審議を求める付託決議を賛成多数で採択している。イランは同理事会以後に
ウラン濃縮作業に着手しており、当初は決議が必要との意見もあったが「前回の決議で
言い尽くされている」(理事会筋)との判断から議長総括にとどめた。
これに対し、イランの核交渉を担当する最高安全保障委員会のバイディ事務局次長は8日
IAEA本部で会見し、「イランは(核拡散防止条約で認められた)権利に基づき、ウラン濃縮
作業を続ける」と述べ、中部ナタンツでの濃縮作業を中止する考えがないと強調した。同事
務局次長は議長総括について「今回の理事会では決議採択に至らなかった」と指摘、理事
会内の対立により、イランに対する新たな措置が合意できなかったとの認識を示した。
また今後の対応については、イランに敵対的な姿勢を取る米国などの対応を見極めながら、
慎重に検討する考えを示した。
一方、IAEAのエルバラダイ事務局長は終了後の会見で、イランに対し「透明性確保と信頼
醸成措置の構築が必要」と述べ、核開発の全容解明のためIAEAの査察への一層の協力を
求めるとともに、理事会が度重なる決議で求めたウラン濃縮作業の停止を実施するよう要請した。
また同事務局長は、「安保理は紛争を平和裏に解決する場であることを忘れてはならない」と述べ、
問題の過熱化にくぎを刺す一方、外交交渉による解決を図るため、EUやロシアだけでなく、
米国もイランとの交渉に参加すべきだとの考えを示した。
引用元:毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060309k0000e030028000c.html