◇生物生息環境、多様性厳しく 11指標で悪化 国連報告書 絶滅危ぐ種が増加
絶滅の危険が高い種の数が増える一方で、森林など生物にとって重要な生息地の
破壊や分断が進むなど、地球上の生物の生息状況の悪化が続いているとする
国連環境計画(UNEP)の報告書案が六日、明らかになった。
海の大きな魚が減り、肥料の使用が原因で窒素による汚染が進むなど、
地上の生物の豊かさに関する十五の指標のうち十一が「悪化傾向」と評価された。
報告書案は、このままでは二〇〇二年にヨハネスブルクでの環境・開発サミットで
合意された「二〇一〇年までに生物多様性の損失速度を目立って小さくする」との
目標達成が困難になると指摘した。
十五の指標は、絶滅危惧(きぐ)種の数の推移、
湿地や森林などの増減、生物保護区の面積など。
熱帯林が年間十二万平方キロのペースで減少し、淡水魚の種数が一九七〇年から
二〇〇〇年の間に半減するなど、十一が「悪化」と評価された。
肥料の大量使用などが原因で、窒素による海の富栄養化などが
日本近海を含めて世界的に進み、発見される外来種の数が急増している。
逆に「いい方向に向かっている」とされたのは世界各国で生物保護区の面積が
八〇年以降目立って増えていることだけ。「一部で改善、一部で悪化」が一つ、
「全体的な傾向は不明」が二つだった。
報告書案は、生物多様性保全分野で発展途上国向け国際援助の額が
一貫して減少傾向にあることも指摘。「自然環境保全を、国の政策の
根幹に据える必要がある」とした。
UNEPの生物多様性に関する現状報告は二〇〇一年に次ぎ、これが二回目となる。
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ワードBOX=生物多様性
地上にすむ生物の多様さのこと。生物の絶滅や農作物の種の減少などの生物多様性の消失は、
人間生活にも大きな悪影響を与える。生物多様性を国際協力で保全することを目的とする
生物多様性条約が1992年に採択され、日本も批准した。条約は種の多さだけでなく、
生態系の多様性や遺伝子レベルでの多様性を守るための政策実行を各国に求めている。
ソース(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/news019.html 別ソース(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060306STXKB002706032006.html 別ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060306/eve_____sya_____001.shtml