■安保理審議を牽制
【ウィーン=黒沢潤】
イランの核問題を協議する国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が六日からウィーンで始まる。
この問題は二月の緊急理事会で国連安全保障理事会への付託が決まっており、今回の
定例理事会での討議を踏まえ、近く安保理で具体的な審議が始まる可能性が高まっている。
これに対し、イラン側は、本格的なウラン濃縮開始をちらつかせ、安保理での審議入りを
牽制(けんせい)している。
米英仏露中の安保理常任理事国は一月下旬、イランの核問題について、三月のIAEA理事会までは
具体的な行動を起こさないことで一致していた。しかし、イランは先月中旬、ウラン濃縮を再開し、
今年後半には三千基の遠心分離機を設置する方針をIAEAに通告。国際社会では、このウラン濃縮が
核兵器開発につながりかねないとの懸念が強いだけに、今回の定例理事会では各国から非難の声が上がるのは確実だ。
この間、安保理での審議入りを回避したいイランはウラン濃縮をロシアで実施するとの妥協案を
ロシア側と協議し、先月末に同案に「原則合意」したと発表したが、活動期間など重要問題が
未解決であるうえ、自国での濃縮にも固執しており、同案を通じた妥協の可能性は少なくなっている。
また、イランは三日、欧州連合(EU)の英仏独三カ国、EUのソラナ共通外交・安全保障上級代表と
ウィーンで土壇場の交渉を行った。イラン側は研究目的の小規模ウラン濃縮を続ける一方で、
産業規模のウラン濃縮は二年間控えると提案したものの、欧州三カ国側はこれを拒否した。
六日からの定例理事会に向けては、当初、厳しい決議案採択を目指す動きもあったが、
イランの核問題がすでに安保理に付託され、エルバラダイIAEA事務局長が作成した報告書で、
イランの核疑惑の全容が解明されていないことを「遺憾」と明確に指摘していることから、
各国の非難声明を取りまとめた議長総括などが出されるにとどまるとみられる。
しかし、今回の定例理事会での討議を経て、国連安保理で具体的な審議が開始されるのは
確実な情勢であり、ライス米国務長官は四日、「制裁措置を急ぐようにと誰も言っていない」として
安保理での対イラン制裁決議を急がない考えを示唆しつつも、今回の理事会を受けて安保理で
「次のステップ」に関する真剣な議論が始まるとの見方を示した。
これに対し、イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は五日、安保理が協議を始めれば
本格的なウラン濃縮を開始すると改めて対決姿勢を示し、アセフィ外務省報道官も同日、
「われわれが取引しようとしていると勘違いしてはならない。イランは(核開発の)権利を持っている」と表明した。
(更新日時−2006年3月6日2時59分)
引用元:yahoo−産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060306-00000009-san-int 関連スレ:
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