タイのタクシン首相が株取引疑惑による辞任圧力の中で踏み切った下院の総選挙で、野党3党は27日、
野党が求めた政治改革案に首相が署名を拒否したとして、選挙をボイコットすると表明した。与党側は選挙準備を
続ける構えだが、ボイコットに呼応して街頭での反首相の活動が広がる可能性がある。
野党側は解散直後からボイコットの可能性を検討してきたが、結論を出せないまま26日夜、憲法改正などの
政治改革を協議する与野党党首会談を提案。これに対し、首相は27日の会見で「政治改革には反対しない」として、
同日夜に会談に応じると表明した。
しかし、野党側が求めていた政治改革の合意文書への署名について、首相が会見で「国民への表明で十分」として
拒否したことから、野党側が反発。会談を直前になってキャンセルし、「首相には政治改革への意欲が見られない」として
選挙への不参加を表明した。
首相は以前から、野党がボイコットしても選挙活動を続けると言明しており、その姿勢に変化はないとみられる。
一方、首相の辞任を求めて街頭集会を組織してきた市民団体などは、かねてから野党や国民に選挙のボイコットを
呼びかけており、今回の決定を歓迎した。26日にバンコクの王宮前広場で開いた集会には数万人の市民を動員し、
27日夕からの集会にも1万人以上が参加した。
http://www.asahi.com/international/update/0227/010.html