◇テロ犯役俳優2人が英で拘束される
今年のベルリン映画祭の準グランプリに当たる銀熊賞(監督賞)受賞作
「ロード・トゥー・グアンタナモ」で、米軍に拘束されたテロ容疑者を演じた
パキスタン系英国人ら男優2人が、反テロ法に基づき一時的に
拘束されていたことを21日(日本時間22日)、英警察当局が明らかにした。
男優らの所属事務所などによると、拘束されたのは16日、ベルリン映画祭から
ロンドン郊外のルトン空港に戻ったところだったという。「ほかにも政治的な映画に
出ているか」などと尋問を受け、財布や名刺などを調べられたとしている。
男優らとともに、映画のモデルになった元被拘束者の2人も一緒に拘束された。
「ロード−」はアフガニスタンで捕らえられた3人の英国人がグアンタナモ米軍基地で
過ごした2年間を描いたもので、収容者への虐待がテーマ。当局は「約1時間、
足止めにした」と拘束の事実を認めた。しかし、「逮捕はしていないし、入国審査で
旅行者をチェックするのは通常任務で、どの空港でもやること。係員は義務を
果たしただけ」と、政治色の強い映画の出演者を特定した拘束ではないことを強調した。
「ロード−」を手掛けた英国出身のマイケル・ウィンターボトム監督(44)は、
これまでにも政治色の濃い映画を撮ってきた。難民キャンプ出身の
アフガン人少年2人が、亡命を求めて英国まで旅する「イン・ディス・ワールド」
は03年に同映画祭のグランプリにあたる金熊賞を受賞。今回の受賞の際は
「グアンタナモ閉鎖を目的に映画を製作した」とコメントしていた。
ソース(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-060223-0012.html