★テロ対策の兵士配備で論争−ドイツでW杯期間中
【ベルリン13日共同】ドイツで6−7月に行われるサッカーのワールドカップ(W杯)の際に、
フーリガンやテロ対策のためドイツ連邦軍兵士を配備すべきかどうかをめぐる議論が
連邦議会やメディアで白熱。
緊急災害時以外の兵力の展開を禁じている基本法(憲法)の改正論議にまで発展している。
議論は、イランの核開発問題やイスラム教預言者ムハンマドの風刺画問題でテロや暴動
への不安が高まったことなどがきっかけ。
10日の連邦議会では、ショイブレ内相が兵士配備を合憲と主張したのに対し、野党、
90年連合・緑の党などが違憲を訴え対立。
兵士2000人を「技術的支援」に使うというユング国防相の提案に賛意は多かったものの、
実際にテロが起きた際に軍がどう行動するのかなどの疑問が次々と出された。
違憲論に対抗して内相は「警察への兵士貸し出し」まで提案した。
開幕戦のあるミュンヘンを管轄するベックシュタイン・バイエルン州内相は部隊出動を政府に
求めてきたが、最近になって「イスラム教国からの入国審査強化」も要求。風刺漫画騒動で
メルケル首相をヒトラーに例えるなど、イスラム教国では既に反ドイツ感情が膨らんでいる。
首都ベルリン上空の飛行を制限する昨年の法律施行について連邦憲法裁判所が来週にも
違憲判断を下す可能性があり、有力紙フランクフルター・アルゲマイネは兵力配備論争は
激化すると予想している。
サンケイスポーツ2006.02.13
http://www.sanspo.com/sokuho/0213sokuho045.html