◇米ハリケーン:辞任の前局長 事前に甚大な被害発生を警告
米南部を襲ったハリケーン・カトリーナへの対応の不手際から、昨年9月に辞任に
追い込まれた連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン前局長は10日、
上院公聴会で、カトリーナ上陸時にブッシュ大統領側近に電話し、甚大な
被害発生を警告していたと証言した。
多数の死者を出す原因となった昨年8月30日のニューオーリンズでの堤防決壊について、
大統領はこれまで「誰も予測していなかった」と説明。前局長の発言は、災害担当の
トップが事前に事態の重大性を政権内で訴えていた新事実を示すもので、ブッシュ政権の
当時の対応が厳しい批判にさらされそうだ。
前局長はまた、自身が責任を負わされ「スケープゴート」になったとの認識を表明。
米中枢同時テロ後、ブッシュ政権がテロ対策に比重を置きすぎて、FEMAを
国土安全保障省に吸収したため災害対策が後手に回ったとの見解も示した。
前局長はカトリーナ上陸前日の8月28日に、休暇中でテキサスの私邸にいた
大統領らとテレビ電話で会議を開き、対応を協議したと証言。
上陸当日の翌29日にはヘーギン大統領次席補佐官に電話し「FEMAが
過去10年間懸念していた最悪の悪夢が訪れようとしている」と報告、
事態の切迫性を早くから訴えていたと主張した。
民間出身の前局長は大統領の友人で、災害対策の経験はなかったが、
政権発足後に起用された。(ワシントン共同)
ソース(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060211k0000e030044000c.html