◇米が核燃料再処理再開を検討、海外分も受け入れ…米紙
【ワシントン=笹沢教一】26日付の米ワシントン・ポスト紙は、ブッシュ政権が
国内と海外の原発から出た使用済み核燃料を受け入れて、
民生用にプルトニウムを取り出す再処理事業を検討していると報じた。
同紙によると、再処理試験などの2億5000万ドルを
2007会計年度(06年10月〜07年9月)予算案に計上する。
プルトニウムは、ウランと混ぜたMOX燃料にして原発で使用する。
米国は約30年も再処理を停止していたが、昨年末に再処理工場の
建設を認める06会計年度のエネルギー歳出予算案を可決、
再処理再開に動き出した。海外からの使用済み燃料まで受け入れる
今回の計画が実現すれば、米国のプルトニウム政策が大きく転換する。
月末の一般教書には盛り込まれない見通し。一方でネバダ州での
放射性廃棄物の処分計画に行き詰まっていることや、
核拡散を加速させる懸念から、国内外からの反発も予想される。
米国の再処理回帰は、青森県六ヶ所村の再処理工場の操業にも
プラスに働く可能性がある。同紙は、日本とロシアに通告済みとしているが、
ホワイトハウス報道官はコメントしていない。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060127i305.htm 六ケ所村・再処理試運転の中止要請 米野党6議員「核拡散の懸念」(Sankei Web/共同)
http://www.sankei.co.jp/news/060127/kok089.htm 米野党民主党のマーキー下院議員ら6議員は26日、日本原燃再処理工場(青森県六ケ
所村)で計画されている使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す試運転(アクティブ
試験)に核拡散上の「懸念」があるとして、中止を求める書簡を日本政府に送った。同党
議会筋が明らかにした。
日本政府は27日夜、「非核三原則を堅持し、核拡散防止条約(NPT)に基づき国際
原子力機関(IAEA)の厳格な査察などを受けている」と書簡に事実上反論する見解を
発表した。
同議員は民主党のエネルギー、不拡散政策の立案にかかわる党内有力者。書簡は、軍事
転用の恐れがある使用済み核燃料再処理に批判的な民主党の政策を反映している。
同筋は書簡送付の背景として、ブッシュ政権が1970年代からの政策を転換し、米国
が再処理事業を進める計画を検討していることも指摘。海外に再処理を委託した分など国
内外で既に40トン以上のプルトニウムを保有する日本での再処理実施が、不拡散強化の
流れに逆行し、「イランの核問題にも影響を与える」と語った。
加藤良三駐米大使あての書簡は「核兵器にも使えるプルトニウムの抽出は、国際的な安
全保障と不拡散にとって重大かつ不必要な脅威」と主張。高速増殖炉開発やプルサーマル
計画実現で不透明さが残る日本が再処理事業に踏み切ることの矛盾を指摘し、テロ組織へ
の拡散阻止の観点からも事業中止を求めている。(共同)