【ロサンゼルス=岡田敏一】
米ネット通販大手アマゾンは六月一日から、自社サイトで“ネット版テレビショッピング”を始める。
番組はトークショー形式で、各界のセレブ(有名人)をゲストに迎え、彼らが番組で紹介したゆかりの商品などを
即座にネット販売する。将来は番組自体を有名ブランド化し、多角的な娯楽ビジネスを展開する考えだ。
米娯楽業界では、アマゾンの映像ビジネス進出について「スターバックス(米コーヒー店チェーン)の映画ビジネス
参入より、はるかに衝撃が大きい。異業種の娯楽ビジネス参入がさらに加速するのでは」(業界筋)と驚いている。
番組名は「アマゾン・フィッシュボウル(金魚鉢)・ウィズ・ビル・マー」。三十分番組で、放送は毎週木曜日の午後
十一時(米西部時間)から。米で最も有名な男性テレビ司会者のひとり、ビル・マーがホストを務める。
一回目の放送ではゲストに米有名ホラー作家、スティーブン・キング、米人気男性歌手ロブ・トーマス、ハリウッド
女優トニー・コレットらを招き、キングが最新著作「セル」をPRするなど、各ゲストがイチ押しアイテムやゆかりの
商品を紹介。それを自社サイトでただちに販売するという。
アマゾンは「ネットの特徴である双方向性を生かし、顧客に新たな買い物の機会を提供したい。ネット通販の新た
な一歩だ」と期待している。
アマゾンは昨年七月、米歌手ボブ・ディランや米女性ジャズ歌手ノラ・ジョーンズらを招いて催した創業十周年
記念コンサートの模様をネットで放映した経緯がある。
今回のトークショーのスタートに関しても、ハリウッドの芸能プロモーターや映像製作者といった娯楽業界のプロを
雇ったという。
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200601210007a.nwc