イラクの独立選挙委員会は20日、昨年12月15日に行われたイラク連邦
議会選挙(定数275)の開票結果を公表した。宗教色の濃いイスラム教
シーア派中心の連合会派「統一イラク同盟」が128議席を確保し、第1党の
地位を確実にした。昨年1月の移行国民議会選挙をボイコットしたスンニ派は、
二つの会派で計55議席を獲得し、イラク戦争後の新生イラクの政治プロセス
で初めて一定の影響力を持つことになった。
独立選挙委によると、各派の議席数は統一イラク同盟(シーア派)128議席
▽クルド集会(クルド人)53議席▽イラク調和戦線(スンニ派)44議席▽イラク
国民リスト(世俗派)25議席▽国民対話戦線(スンニ派)11議席−−など。
独立選挙委はこの結果に対する異議を受け付けた後、1週間以内に結果を
確定させたい意向だ。
各派は昨年末からすでに、統一イラク同盟とクルド集会を中心に連立交渉を
続けている。現地からの報道によると、統一イラク同盟がイラク調和戦線(スンニ派)
に複数の閣僚ポストを提示するなど、スンニ派の取り込みが進められている模様だ。
ただ統一イラク同盟側は、暫定首相だったアラウィ氏が率いる世俗派連合会派
「イラク国民リスト」や、スンニ派の有力政治家ムトラク氏が率いる「国民対話戦線」を、
「旧政権与党のバース党員に寛容」との理由で連立相手から除外する意向を示して
いる。これに対しクルド人勢力は「より幅広い参加が必要」と難色を示しているとされ、
連立交渉は今後も難航しそうだ。
このため大統領や首相の選出を経て内閣が発足するまでには、少なくともあと
1カ月かかるとの見方も出ている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060121k0000m030152000c.html