★コートジボワール:「国連撤退」求める群衆がPKO襲撃
【ヨハネスブルク白戸圭一】西アフリカのコートジボワールで今週に入り、同国に展開する国連平和
維持活動(PKO)に対する抗議行動が激化し、一部の基地が襲撃される事態となっている。
西部の都市ギグロのPKO基地では18日、基地を襲った群集に国連部隊が発砲して4人が死亡した。
最大の都市アビジャンでは、群集が国営テレビ局を占拠して「国連撤退」を訴えるなど混乱が拡大している。
◇4人の死者も出て混乱が拡大
同国では02年、北部の反政府勢力が蜂起して内戦に突入。03年に停戦したが、既得権を失うことを恐れる
南北双方の指導者が国の再統一に難色を示し、和平プロセスが停滞した。昨年10月に北部も参加する
大統領選を行う予定だったが、バグボ大統領が直前に選挙延期を宣言。アフリカ連合(AU)などが今年
10月までの選挙実現を目指して仲介を続けている。
今回の混乱のきっかけは、AUなどが16日、和平プロセスを進めるために、バグボ大統領の支持基盤で
ある国会の解散を勧告したこと。怒った大統領支持派の若者らが各地で「国連撤退」を叫び始め、混乱が広がった。
権力基盤を失うことを恐れた大統領が国連を「悪者」に仕立てて混乱を扇動している、との見方が強まっており、
国連のアナン事務総長は「国連に対する組織的暴力の停止」を大統領に呼びかけている。
毎日新聞 2006年1月19日 17時28分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20060120k0000m030012000c.html