1975年8月、日本赤軍がクアラルンプールの米大使館などを占拠した事件で、
日本政府が人質の人命最優先を主張する一方で、マレーシア政府は特殊部隊の
突入を模索していたことが、29日に公開された英機密公文書で明らかになった。
同年8月20日付の文書では、在クアラルンプール英大使館の担当者が、マレーシアの
ガザリ内相(当時)から聞いた経緯を詳述。内相は、犯人や人質らをリビアに出国
させるため用意した日航機周辺に、警官を装った特殊部隊10人と狙撃班を秘密配置
したと明かした上で、「自分がボタンを押せば、地上の犯人を射殺し、部隊が機内に
突入する手はずだった。人質1、2人は犠牲になったかもしれないが、犯人は全員
逮捕か射殺できた」と説明した。
作戦を中止した理由については、「世界中のマレーシア大使と家族が日本赤軍の
報復の犠牲になることを恐れた」と語った。
事件では、当時の三木内閣が人質と引き換えに超法規的措置で過激派5人を釈放。
このうちの1人、坂東国男容疑者は後にダッカ事件(日航機ハイジャック事件)に
加わり、現在も国際手配中となっている。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051229i313.htm