2005年のインド企業のM&A(合併・買収)は、過去最高の100億ドルをさらに上回る規模に到達し、
昨年の取引数から52%も増えたことがKPMGの調査から分かった。
KPMGのデータによると、総取引数のうち40%(28億3000万ドル分)は、外国企業のインド進出によるものだったという。
なかでも、スイスのセメントグループ、ホルシムによるグジャラート・アムブジャ・セメント の株式67%、総額8億1000万ドルの取得は、今年最大となった。
海外勢による買収だけではない。インド企業も海外に目を向け、より規模の大きな外国企業を合併・買収することで
顧客獲得と世界規模の進出を図ろうと、ニッチ企業の買収を狙っている。
今月だけでも、タタ・ケミカルが英ブルンナー・モンドを50億800万ルピー(1億1200万ドル)で買収し、
両社合わせて世界第3位のソーダ灰メーカーとなった。なお、この取引は、KPMGの調査に含まれていない。
KPMGの調査後に行われた取引では他にも、インド最大の民間金属メーカー、タタ・スティールによるタイの鉄鋼工場の買収、
インド第3位のITサービス企業ウィプロによる豪州と米国の企業買収などがある。
KPMGのコーポレート・ファイナンス部門のマネジング・ディレクター、カールトン・ペレイラ氏は「今年は好調な1年だったが、
来年はインド企業が進出計画の実現に向け巨額の軍資金を投入するため、さらに力強い年になる見込みだ」と述べた。
買収に手を出すインド企業にとって追い風となっているのは、堅調な国内成長と勢いある株式市場だ。年内に完了した買収取引の総数は、
過去最高を記録した2000年の440件にはわずかに届かなかったものの、KPMGのデータによると、規模では2000年の97億5000万ドルを若干上回った。
(英フィナンシャル・タイムズ特約)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20051228NTE2IFT0128122005.html インド株ウマー