【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権が、ウクライナなど旧
ソ連圏の「反露諸国」に、天然ガス供給価格の大幅値上げで圧力を
強めている。これに対してウクライナはロシア黒海艦隊の基地使用料
の値上げを提示するなど「非対称の戦い」を挑む。ロシアは一月一日
までに交渉が妥結しなければガス供給を停止すると脅しており、その
行方が注目されている。
天然ガス供給を独占するロシア国営ガスプロム社が、ロシア産ガス
に依存するウクライナに値上げを突きつけたことから問題は先鋭化。
ロシア側はこれまで千立方メートル当たり五十ドルだった天然ガスの
価格を来年から一挙に四倍以上の二百三十ドルにすると通告。
九十ドルを再提示したウクライナ側との交渉は行き詰まった。
ロシア側は「欧州入りを目指すウクライナには今後、エネルギーも欧
州価格で販売する」と説明するが、親欧米路線を歩む同国への政治
的な圧力であることは明白だ。
ウクライナは将来的には欧州価格での取引に応じる考えを示しなが
らも、現在の経済力で移行は現実的ではないと反発。交渉が決裂し
ても、ウクライナを経由して欧州に送られる「ガスの一部を“抜き取る”
ことは契約で認められている」と揺さぶりをかける。
さらに、二〇一七年までの契約を結んだロシア黒海艦隊の基地賃貸
料の大幅値上げや、艦隊が置かれるウクライナ南部クリミア半島と同国
西部の二カ所に設置されたロシア防空軍の要である早期警戒レーダー
基地の閉鎖、ロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)の近代化に必要
な部品供給の停止などもちらつかせているという。
ロシアの有力日刊紙、独立新聞によると、ロシア側は被る損失が天
然ガスの値上げ分以上になると指摘し、「ウクライナが挑むこうした非
対称の戦いは両国関係に何も良い結果をもたらさない」と強い調子で
非難した。
両国の「ガス戦争」の行方は、同じくロシアのエネルギーに依存する
グルジアやモルドバなどロシアを囲む旧ソ連圏全体に影響を及ぼすこ
とになるものとみられている。
ソース:産経
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051224-00000012-san-int 関連スレ:
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http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1135035390/