ドイツ首相府のウィルヘルム報道官は5日、米中央情報局(CIA)がドイツの領空や飛行場を
437回以上も無断利用していた飛行記録を政府が保有しているとの報道を確認し、
6日に訪独予定のライス米国務長官に説明を求める方針だと述べた。
報道官は、5日発売の週刊誌シュピーゲルの報道を確認し、CIAが民間企業名で登録された
航空機などでドイツ国内の空港に離着陸を繰り返していたことを示すリストを、
ドイツの航空管制当局が保有していると認めた。
報道官によると、メルケル首相は6日、ライス長官との会談で、説明を求める方針。
「具体的な質問」をいくつか予定していると報道官は述べたが、具体的な内容は明らかにしなかった。
シュピーゲルの報道では、CIAが秘密裏にベルリンやフランクフルト、
ラムシュタイン米軍基地などに離発着していたことが、独政府保有の記録に示されているという。
CIAの活動については、拘束したアルカイダ・メンバーなどテロ容疑者を収容する秘密施設を、
東欧など各地に設置し、こうした施設への行き来に、ドイツなど北大西洋条約機構(NATO)
加盟国の空港を経由地として使っていると指摘されている。また、秘密施設では収容者の拷問が
日常化しているとの情報もある。
CIAの秘密収容所について、スペインや北欧各国は独自に調査を開始。
欧州連合(EU)の現議長国の英国は、EUを代表して公式に、米政府に説明を求める書簡を送っている。
EUのフラッティーニ司法担当委員はこの問題について、CIAのこうした秘密収容施設の
自国内設置を容認していたEU加盟国には、欧州連合理事会での投票権を停止したり、
加盟手続きを延期するなど、厳罰で対応すると言明している。
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