サウスダコタ州スーフォールズ──米サウスダコタ州で3日、州で一番高いビルを取り壊す作業中に、うまく倒れるよう
爆発物を仕掛けたにも関わらず、ビルが取り壊しに「抵抗」して斜めに傾いたまま止まり、作業を中断せざるをえない珍事が発生した。
同州東部のスーフォールズにある高さ約62メートルの「ジップ・フィード・ミル」は、1956年にできた飼料工場で、
当時としては最新の設備を備えていた。しかし、2000年に操業を停止しており、来年春から始まる複合ビル建設のため、取り壊しが決まった。
この程度の高さの建築物の取り壊しは、大都市ではあまり注目されない。しかし、高層ビルがほとんどないサウスダコタ州では
一番高い建物だったことから、オーナーらは取り壊しの瞬間を大勢の人々に見てもらえるよう、チャリティー・イベントとして企画。
爆破スイッチを押す権利が当選する抽選券を1枚1ドルで販売するなどして、集まったお金を難病「多発性硬化症」の支援団体へ
寄付することになった。
取り壊しが決まり、解体専門業者は建物が「木が倒れるように」倒壊するよう、爆発物を設置。近隣に住む人々はチャリティー
Tシャツを購入して、現場で倒壊の瞬間を待っていた。
ところが、建物は斜めに傾いたところで、倒壊がストップ。倒れるはずが倒れない建物に、見物していた人々は「ジップの斜塔だ」
「ビルが勝った」などと冗談を飛ばし合った。
取り壊し作業の続きは、クレーンなどを使って8日にも再開する予定。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200512050020.html