欧州連合(EU)は24日、国際的に批判されていた砂糖の補助金制度改革で合意した。
3日間にわたる農相理事会での協議の末、砂糖農家に支払う保証価格を36%引き下げる
ことで決着した。EUの砂糖は日本のコメと同様に手厚い保護を受けてきた象徴的な
農産物。世界貿易機関(WTO)の12月の香港閣僚会議をにらみ、市場開放を進める
姿勢を打ち出した。
EUは1960年代から、補助金制度を通じて生産農家などを保護してきた。EUが補助金
を使って市場価格より高い保証価格で買い付けた砂糖は低価格で域外にも輸出されており、
輸出量は年間で500万トンを超えるとみられる。
砂糖輸出国のブラジルやオーストラリア、タイは、EUが年間13億ユーロ(約1800億円)
にのぼる過大な補助金をつぎ込んでおり、WTO協定に違反するとして提訴。今年4月に
WTO上級委員会でEUの敗訴が確定し、EUは補助金制度見直しを迫られていた。
(10:03)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20051125AT2M2500125112005.html