違法なはずの一夫多妻制が黙認されてきた米ユタ州で、3人の妻を持つ
判事の罷免をめぐり、論争が起きている。同州最高裁は90日以内に判断
を下す。
ソルトレークトリビューン紙によると、同州ヒルデル在住のウォルター・
スティード判事は、トラック運転手だったが、25年前に市議会から任命され、
軽犯罪を裁いてきた。判事は65年に第一の妻と結婚したが、妻の実妹2人
とも事実婚をしており、計32人の子どもがいるという。
複数婚に反対する団体から情報を受けた州裁判官審査委員会は2年間の
調査の末、「判事の行為は司法に対する信頼を揺るがす」として罷免勧告を
出した。一方、判事は「一夫一妻制といいつつ、実際は複数の相手と関係
するのと、複数婚で実際に複数婚を守るのと、どっちが悪い」などと反論。
複数婚は帰属するコミュニティーでは伝統的に認められており、宗教や生活様式
の違いは一般法に対する判事としての判断に影響しないと主張している。
ユタ州ヒルデルと隣接するアリゾナ州コロラドシティーは米国最大の複数婚の
コミュニティー。モルモン教(本部ソルトレークシティー)は1890年に
一夫多妻制を廃止したが、この風習を捨てない一派が同地区に移住している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20051106k0000m030006000c.html