シアで革命記念日に代わって今年から祝日となった「民族統一の日」の4日、
極右民族主義勢力が初の本格的なデモと集会をモスクワの中心部で繰り広げた。
主に中央アジアとロシア南部カフカス地方のイスラム系諸民族の移住者を対象とする「不法移民反対運動」や、
欧米によるロシア支配排除を唱える「ユーラシア若者同盟」などが主催した。
モスクワ市は民族対立をあおる主張を掲げるデモを禁止してきたが、
今回、そうした主張をせず、参加者も千人までに抑えるとの条件で許可した。
しかし、クレムリン近くの広場の集会には、黒ずくめの服装の若者を中心に約3000人が参加。
演説も禁止のはずの他民族への排撃一色に。中でも「反対運動」幹部は、
「タジキスタンなどからの移民がヘロインを持ち込み、ロシアの子供たちを害している」と強調。
参加者からは一斉に、
「占領者に死を。麻薬密売人に死を。イスラム急進派に死を。ロシアに栄光あれ」のシュプレヒコールが響き渡った。
また、今年の中国との国境画定でロシアが国境の河川にある島の多くを手放したことについて
「クレムリンには他国に通じた裏切り者がいる」との声が出るなど、政権批判も相次いだ。
この後の行進では、ナチスのかぎ十字の旗を掲げたとして警察が10人を拘束した。
また、「許可の3倍を集会に動員した」として主催者2人が拘束されたが、
外国人留学生への襲撃事件の続発など、ロシアでの極右民族主義の高まりをかえって裏づけた形だ。
「民族統一の日」は、
1612年にロシア国民が団結してポーランド軍の支配からモスクワを解放した日を記念して制定された。
だが、民族主義の扇動に利用される恐れのほか、
11月7日の革命記念日を廃止された共産党支持者の反発も強い。このため、
「逆に国民を分裂させかねない」(イズベスチヤ紙)との懸念も指摘されていた。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20051105/K2005110501010.html