北海道の函館市内などでは、30日午前中から煙のようなもので空気が濁る煙霧と
呼ばれる現象が続いており、専門家はロシア極東で続いている森林火災による煙が
流れてきた可能性が高いと指摘しています。
「煙霧」は煙やちりなどによって空気が濁る現象です。函館海洋気象台によりますと、
函館市内などでは30日午前10時半ごろから空気が白っぽく濁って見える「煙霧」が
確認され、うっすらと物が燃えたようなにおいも漂っています。
函館市消防本部には、昼すぎから「辺りが煙っていて、きな臭いが火事ではないか」
といった問い合わせがおよそ20件寄せられましたが、火災や野焼きなどはありません
でした。
ロシア極東のハバロフスク地方では大規模な森林火災が発生し、煙が広範囲に
広がって問題になっていますが、シベリアなどの森林火災の影響について研究して
いる東北大学の工藤純一教授は、「雲があるため人工衛星の画像で確認することは
できないが、火災の発生しているロシアの森林から数百キロにわたって南東の方向に
煙が流れており、北海道に到達している可能性が高い」と話しています。
工藤教授によりますと、ここ数年ロシア極東での森林火災の煙が北海道に達する
ケースが相次いでおり、去年10月にも火災の煙が北海道に達しているのが確認
されているということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/10/31/d20051030000122.html