副葬品分析 バルセロナ大研究グループ
【ロンドン=蔭山実】「ツタンカーメンが好んだのは赤ワイン」-。古代エジプトの
ツタンカーメン王の副葬品のワイン壼(つぼ)には赤ワインが入っていたとする
研究結果が、スペイン・バルセロナ大学の研究グループによって大英博物館で
発表された。ツタンカーメン王は紀元前三三五〇年ごろに亡くなったとされる
古代エジプト第十八王朝の王。墓から発掘された副葬品のワイン壼には「ツタン
カーメン王家のワイン、カー醸造者」などと記されていた。
ただ、壼の中は完全に乾燥しており、これまで内容物を特定することはできな
かった。同大のマリア・ロサ・グアシュハーネさんらは、ガスクロマトグラフィー
質量分析法を利用して、壼から「シリンガ酸」を検出することに成功。この物質は
白ワインには含まれていないことから、赤ワインだったと結論づけた。
グアシュハーネさんはBBCテレビに、「古代エジプト人の墓にはその人が
生前に持っていた物や、飲食していた物と同じ物を埋葬する習慣があり、
王も同様だった」と話し、ツタンカーメン王が生前、赤ワインを飲んでいたのは
間違いないとしている。
http://www.sankei.co.jp/news/051028/evening/29int002.htm