【シドニー 10/17 ロイター】7月のロンドン爆弾テロ事件を受けて立案されたオーストラリアの厳格な
新国内保安法が、多数の大物政治指導者が「適用基準(の協議)が急がれ過ぎている」と憂慮して
更なる審議を要求したのを受け、「水で薄められる」かもしれない。
9月、オーストラリアの6つの州と2つの行政区が保守的な首相であるジョン・ハワードの推す新・国内
治安法(ある州知事はこの法案を「過酷(draconian;訳者注*1)」だと表現している)が(審議を)通過
することに同意した。
この法案に基づくと、告発を受けること無し(訳者注*2)に容疑者を48時間交流することができる。
そして、電子追跡装置を使って容疑者を監視下に置くことができる。更に、イラクのような国で「祖国に
仇なす政治指導者」を支持すると、7年以下の実刑を伴う。
しかし、法案が議会に提出される2週間前、2つの行政区の指導者が、「法案に目を通した結果、(審議
通過を)支持しない可能性もある」と述べた。
ACT(オーストラリア首都行政区)の主要閣僚ジョン・スタンホープは地元ラジオを通じて「この急ごしらえの
法案が示唆するのは良い法案であるはずがないということだ」と述べた。
また、北方奥地行政区の主要閣僚クレア・マーチンも、オーストラリア国民のための法的予防措置を
考慮することを表明して、法案を通過させるために急ごうとは思わないと述べた。(中略)
ハワード豪首相は月曜、この新法を水で薄めるつもりはないと述べた。しかし、法案は成立のための
必要条件を満たすために、全ての州と行政区で審議通過する必要がある。
(以下省略)
注(*1):古代ギリシャ・アテネの執政官だったDraconが非常に厳格な法律を制定したことを想起して「draconのような法制案」だと表現されている
注(*2):調べたところ、オーストラリアも日本と同様に「根拠となる法律」と「それに違反する行為」のセットが定まって(司法警察から)告発が為され、容疑者となるようです。
ソース:ロイターAlternet(英文を記者が拙訳)
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/SYD29792.htm