バリ島爆弾テロ:押収ノートに計画示唆、JI関与の証拠に
【クタ(インドネシア・バリ島)岩崎日出雄】インドネシア・バリ島の同時爆弾テロ事件で、東南アジアのイスラム過激派
「ジェマー・イスラミア(JI)」の大物幹部2人と自爆テロ犯らが潜伏していたとされる民家から押収したノートに、
今回の犯行計画を示唆する記述が含まれていることが11日、捜査当局の調べで分かった。ノートはイスラム教の聖典
「コーラン」の記述も引用しながらアラビア文字で書かれていた。当局はJI幹部らの関与を示す重要な証拠と見ている。
ノートは6日、中部ジャワ州の民家(空き家)で押収された。調べでは、このノートに「ラトナと17・32にデート」と
いう一文がある。また、自爆テロ犯の募集方法なども記されている。「ラトナ」はインドネシアの女性の名前だが、
当局はノートの記述全体の趣旨から、3カ所のテロ現場のうちクタ地区のレストラン「ラジャス」を暗号化したものと判断。
この一文は「午後5時32分に、ラジャスなどへの作戦を開始する」という意味と見て、さらに詳しい解読を進めている。
同レストランでの実際の犯行は午後7時45分(日本時間同8時45分)ごろで、当局は「5時32分に最終の
打ち合わせを行った後、3カ所の現場に散る」計画だったと分析している。
ノートの記述にはアラビア文字が使われているが、音読するとインドネシア語になる。コーランに頻繁に用いられている
「聖なる慈悲深い神の名のもとに」という言い回しも各所に使われ、今回の自爆テロ犯を含め、新規開拓の自爆テロ
候補者を指すとみられる「若い魂」という表現も見られるという。
また、インドネシア警察は11日、自爆犯の一人とかつて同居していた建設作業員の男を反テロ法違反容疑で逮捕したと
発表した。ロイター通信によると、男の名前は公表されておらず、「H・S」という名前の頭文字だけが明らかにされた。
事件の3日前にバリ島を後にしていることから事件との関連が疑われていた。東ジャワ州の町で9日に逮捕されたという。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051012k0000m030157000c.html