検閲からブログ守れ、暗号化などの手引発行…民間団体
【パリ=島崎雅夫】国際的なジャーナリスト民間団体「国境なき記者団」(本部パリ)が、
表現・報道の自由を制限されている国のジャーナリストを主な対象にブログの開設方法や
当局による検閲・逮捕を逃れるノウハウを伝授した手引書を発行した。
手引書はフランス政府の援助で実現。最新技術を活用することで抑圧体制を打倒し、
民主主義を定着させることを狙っている。
「ブロガーとサイバー反体制派のための手引書」は87ページ。同記者団によると、
対象となるのは中国、イラン、キューバ、ベトナム、サウジアラビア、ウズベキスタンなど。
現在、中国で62人、キューバで21人など世界で約100人がインターネット上で反体制
活動を行ったとして投獄されている。手引書はこれ以上の「サイバー反体制派」の逮捕
増加を防ぐとともに、ブログを自由な表現・報道の手段とするためのもの。
(中略)
現在、世界には約1億7000万件のウェブサイトがあり、約5000万人のブログ読者がいる。
このため、ブログは表現・報道の自由を保証する有力な手段となり得る。ただ、同記者団は
9月初旬、中国政府が米検索エンジン大手ヤフーの情報提供に基づき、中国人記者を逮捕、
同記者が今年4月、禁固10年の有罪判決を受けたとして批判した。ブログがテロリストや
児童性愛者らに悪用される恐れもあり、ブログの管理体制強化が不可欠ともなっている。
手引書は仏、英、中国、アラビア、ペルシャ語の5か国語で作成、同記者団のホームページ
からダウンロードできる。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051002i314.htm