IAEA理事会、対イラン決議案を採択
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国際原子力機関(IAEA)理事会は24日、全体会合を再開し、
英仏独の提出した対イラン決議案を賛成22、反対1、棄権12で採択した。
賛成は欧州諸国、米国、日本、韓国、インドなど。反対はベネズエラ。
内容に不服のロシアや中国、多くの途上国も理事会の分断を表面化させることの回避を望んだ
英仏独の土壇場の働きかけに応じ、棄権に回った。
採択された決議は、イランによる濃縮関連の転換作業再開を非難。
イラン核問題の国連安全保障理事会への付託を先送りはしたものの、
付託の必要性を初めて認定した。
英仏独にとり、この認定は、イラン核問題に関する認識の原点に戻ることを意味する。
安保理付託を当初から主張する米国だけでなく欧州諸国も過去20年にわたり
未申告活動を続けたイランに対し、平和利用の権利を隠れみのにした
核兵器開発の意図を疑っている。イランに濃縮ウラン生産能力を持たせれば、
将来、核爆弾製造に利用する恐れがあると懸念しているのだ。
英仏独がイランと外交交渉に取り組んだのは、「違反」の認識を棚上げしてでも、
濃縮計画完全放棄を勝ち取った方が、現実的と判断したからだった。
しかし、英仏独との交渉でイランは、経済協力などを見返りとする計画放棄の要求を拒否。
8月に濃縮の初期工程の転換作業を断行したため、英仏独は、原点に帰る以外ないとするに至った。
一方で、実際の安保理付託には英仏独も二の足を踏む。
今すぐ付託してもロシアや中国の拒否権に逢い、かえって核不拡散体制の機能不全をさらすからだ。
付託の必要性を宣言した上で、実際の付託を先送りする決議は、
英仏独にとって都合のいい筋書きといえる。
また、英の研究機関などはイランが核爆弾を作れるだけの濃縮ウランを生産するには
5年かかると見積もっており、時間的猶予があるのも、付託を急がない理由だ。
★ ソースは、読売新聞 [日本] とか。 (決議案要旨は
>>2)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050924i316.htm