EU、核開発でイランに「最後通告」
2005年09月07日10時43分
欧州連合(EU)高官は6日、核開発問題をめぐるイランとの交渉について
「時間切れだ。国連安全保障理事会に付託するのが次の合理的な手順だ」と
述べた。この問題を協議する国際原子力機関(IAEA)理事会が19日に
始まるが、イランの核問題を国連に舞台を移す安保理付託という「最後通告」を
示す姿勢を見せ、イランに対してウラン濃縮の関連活動を停止するよう改めて
求めた。ただ、安保理付託にはロシアが消極的で流動的だ。
イランは04年11月、ウランの濃縮活動を停止することを英仏独の
EU3カ国とパリで合意した。だが、05年8月に濃縮関連活動を再開し、
3カ国との交渉は8月上旬以来、暗礁に乗り上げている。EU高官は
「パリ合意は終わった。IAEAでもイランの核開発について協議してきたが、
こうした手続きもすべて終了した」として、イランの核問題を国連安保理に
付託するのが妥当だとの考えを強調した。
イランとの交渉再開については「可能性はほとんどない」としつつも
「濃縮関連活動の停止を明言すれば、検討できるだろう」とした。
「イランが核兵器を持ってからでは遅い。安全保障上の重大な懸念がある」
との危機感が背景にある。
http://www.asahi.com/international/update/0907/004.html