6月17日に投票されるイラン大統領選に、ラフサンジャニ前大統領(70)が10日、立候補することを明らかにした。
ハタミ大統領は憲法規定から連続3期の立候補ができないため、
前大統領を最有力候補とする選挙戦が展開されることは確実な情勢だ。
ラフサンジャニ師は再登板について「苦い薬を飲むようなもの」と一時消極姿勢を示したが、
10日、国営イラン通信に対し、最高評議会のスポークスマンが同師の出馬を公式に認めた。
89年からハタミ師と交代する97年まで2期務めた大統領時代、経済自由化を進めた実績がある。
現在イランでは年率15%もの急激なインフレが進行し、20歳代で50%を超す失業率など内政状況は悪化。
外交面でも25年断交が続く対米関係や、核計画放棄を求める国際社会の圧力増大など難局が続く。
こうした内外の問題に現実的対応ができるとして再出馬が待望されていた。
国営イラン通信の世論調査では約14%の支持率があり、4%台の他の有力者を引き離している。
保守派からはベラヤティ前外相ら多数が出馬表明しているが、ラフサンジャニ師の出馬表明で多くが撤退しそうだ。
大統領選は10日から候補者登録が始まり、14日締め切られる。護憲評議会の資格審査、
審査で排除された人の抗告に対する再審査などを経て26日に候補者が確定。27日から選挙戦が始まる。
http://www.asahi.com/international/update/0511/002.html?t