イラクのイスラム教スンニ派有力組織、イスラム聖職者協会のハーリス・ザーリ会長は7日、
共同通信に対し「新生イラクが連邦制にならないことを望む」と述べ、
近く起草作業が始まる新憲法で連邦制を明記することに反対する考えを表明した。
イラクの有力政治勢力が連邦制への反対を明確に表明したのは初めてとみられる。
旧フセイン政権下でも自治を享受してきたクルド人勢力は、連邦制の明記を強硬に主張。
油田を抱えるシーア派地域の南部でも連邦制を採用するよう求める動きがある。
スンニ派有力組織が明確な反対姿勢を示したことから、憲法起草作業での各勢力の厳しい対立は確実だ。
ザーリ会長は「新しいイラクは、別々の国が集まって一つになるわけではない。
北部や南部の勢力が独自のアイデンティティーを維持したいのならば、
イラクの統合に反しない形ですべきだ」と強調した。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050508AT3K0800U08052005.html