「米情報機関、イラクで「完全な誤り」…独立委が報告」
世界各地で進められている大量破壊兵器の開発・保有計画に対し、米国の情報機関がどこまで
把握能力を持つかを審査してきた米独立調査委員会は31日、1年余にわたる調査の結果を
ブッシュ大統領に提出し、機密部分を除く内容を公表した。
約600ページにわたる報告は、イラク・フセイン政権の大量破壊兵器に関する情報収集
活動が「完全に誤りだった」と断じ、15組織にまたがる情報機関の間の連携のまずさや
非効率を具体的に指摘、「国家拡散対策センター」の創設など74項目の改革を提唱している。
昨年2月に大統領が設置した「大量破壊兵器を巡る米情報機関の能力についての委員会」は、
チャールズ・ロブ元上院議員(民主党)、ローレンス・シルバーマン連邦高裁判事を共同議長に、
政治家や元情報機関幹部など9人で構成されている。
イラクで大量破壊兵器の有無をなぜ見誤ったかの分析に加え、イランや北朝鮮、リビアにも
調査対象を広げて中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)などの能力を洗い直してきた。
報告はまず、イラクについての情報活動を「米近代史上、最も大きな害をもたらした失敗」
と位置づけた上で、情報分析の貧弱さと、スパイが相手国の人間を介して機密を直接仕入れる
「ヒューミント」と呼ばれる情報収集の能力の弱さの両方を指摘した。
北朝鮮やイランなど他国の状況把握では、「世界の最も危険な国々の核開発計画について、
不安になるぐらいわずかの情報しか持っていない」と記述している。
北朝鮮側に“手の内”をさらすのを避けるため、詳細はすべて機密扱いとされたが、
政府筋によると、「核開発能力に関するこれまでの試算の根拠にも疑問を投げかける」
厳しい評価が下された模様だ。
引用元:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/ (2005/4/1/01:46)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050331i211.htm