国際原子力機関(IAEA)関係者が28日、明らかにしたところによると、パキスタン政府はこのほど、
イランがパキスタンから「闇市場」を通じて入手したと主張している遠心分離器と同型の分離器の部品を、
イラン側の主張の検証のためにIAEAに提供することに合意した。
これまでパキスタンは、「闇市場」の中心人物カーン博士へのインタビューを拒否、
調査には極めて非協力的だった。
だが今回の部品提供は「闇市場」解明を求める国際的な圧力に抗しきれずに応じたもので、
IAEAによる今後の検証作業に注目が集まる。イランの核疑惑では、IAEAの査察で、イランの核施設から、
原発燃料の濃度をはるかに超える高濃縮ウランが検出された。これが、イランが核兵器開発を目指し、
秘密裏に行ったウラン濃縮の証拠であるのかどうかが、査察の重要な争点となっていた。
イランで発見された高濃縮ウランの組成が、パキスタンが提供した機材のものと一致すれば、
イランが秘密裏にウラン濃縮をしていた可能性が低くなり、
「核計画はすべて平和目的」とするイラン側の主張を補強することになる。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20050301/K2005030102290.html