【ワシントン=伊藤俊行】
イラクのアブグレイブ刑務所で起きた米兵らによるイラク人虐待事件の調査を担当した
ポール・カーン陸軍大将は9日、米上院軍事委員会の公聴会で証言し、収容の事実を
赤十字国際委員会(ICRC)に報告していない、いわゆる「幽霊囚人」が、イラク国内に
最大で100人程度いる可能性があると述べた。
先に発表された調査報告では、確認された幽霊囚人は8人だった。収容者隠しの行為は、
テロリストやイラクの反抗勢力に関する重要情報を持っていると見なされた収容者への尋問が、
敵の妨害やICRCの介入に遭わないようにする目的で行われる。過酷な尋問が行われやすい
環境を生み、捕虜の処遇などを定めたジュネーブ条約に違反している。
カーン大将は、こうした幽霊囚人の実際の数について、「数十人、あるいは最大で100人かも知れない」と
証言。別の陸軍司令官は同じ公聴会の証言で、「24人以上はいる」と述べる一方、幽霊囚人に関する
情報を尋問に関わった中央情報局(CIA)が提供しないため、実数を把握できないと述べ、
暗にCIAの対応を批判した。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040910i211.htm (2004/9/10/18:15 読売新聞 無断転載禁止)