大統領選控え、影響に強い懸念
【ワシントン=近藤豊和】イラクの主権移譲を約一カ月後に控え、ブッシュ米大統領が
二十四日に行った演説は、混迷の度合いを深めるイラク情勢への批判が高まって
支持率が急速に低下、「イラクからの早期撤退の必要論」の声すら出るようになった
現状への危機感がにじみ出る内容となった。
大統領は演説で、六月末の主権移譲以降の暫定政権について、「米国などは技術的
支援をするだけ」として、「イラク人主体」を強調。国際的支援拡大のため、仏独などの
理解を得ようとする態度がうかがえた。
また、イラク人虐待事件が発覚したアブグレイブ刑務所については「フセイン政権の
人権を無視した残忍さの象徴だったが、同じ場所で一部の米軍が不名誉なことをして
しまった」とイラク攻撃の意味の根幹を揺るがすような事態の深刻さを認識し、同刑務所の
取り壊しという踏みこんだ決断まで表明した。
演説に示された大統領の姿勢からは、イラク政策に対する急速な批判の高まりが
今秋の大統領選にも影響を与えるとの強い懸念がある。
(略)
http://www.sankei.co.jp/news/040526/morning/26int003.htm