アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある病院が、外国からの出稼ぎ労働者の「姨捨山」になり社会問題化している。
母国から呼び寄せた老親を入院させたまま、行方をくらます子が絶えないという。
貧しい本国より快適なドバイで入院させたいとの親孝行のつもりらしいが、親は子の連絡を待って泣き暮らしているという。
国立ラシッド病院に「捨てられた」患者は85人。多くは入院が2〜10年に及ぶ。大半が入院不要で、急患診療に支障が出る場合がある。
親を入院させた直後、子の携帯電話が不通になるなど連絡が途絶えてしまう例が多い。入院費用を立て替えている病院が患者に尋ねても、
非常に貧しくて本国の連絡先すらはっきりしない例が大半という。
国籍は主にインド、パキスタン、バングラデシュ。ドバイの地元紙ガルフ・ニューズは、8年前に息子に運び込まれたまま連絡が途絶え、
病気が治った後も行き場がなく「ここを出て子や孫に囲まれて暮らしたい」と嘆く64歳のインド人男性らを紹介している。
同国は1人当たり国内総生産(GDP)が1万9000ドルの豊かな産油国で医療水準も高く、イラクの日本人人質が解放後に健康診断を受けた。
一方で全人口の約6割、約140万人は貧しい国からの出稼ぎ労働者だ。
ガルフ・ニューズは、外国人でも安心して入所できる老人ホームの整備を急げと訴えている。
http://www.asahi.com/international/update/0501/011.html