米会計検査院(GAO)は18日、イラクの旧フセイン政権が97〜02年に、国連管理下の「石油と食糧交換計画」を通じて
101億ドル(約1兆821億円)の不法収入を得ていたと、米下院金融サービス委小委員会に報告した。
このうち57億ドルは石油の密輸による収入、44億ドルは交換計画にかかわった企業からのリベートだったという。
報告によると、石油はシリアへのパイプライン、トルコとヨルダンへの陸路、ペルシャ湾からの海路、
という三つのルートで密輸されていた。また、イラクからの石油購入や食糧供給などのために企業が結んだ759の契約のうち、
少なくとも48%の契約で、平均21%の割増金がイラクに払われていた。
旧フセイン政権の隠し資産については、総額は不明だが100億〜400億ドルにのぼると推定している。
GAOは米連邦議会に付属する独立した超党派の調査機関。旧フセイン政権の不法収入については02年5月、
66億ドルという見積もりを明らかにしていた。今回は02年の収入額を加えたうえ、リベート額などを調べ直したため、
総額が膨らんだという。国連安保理はイラクがクウェートに侵攻した直後の90年8月、
イラク産品の輸出などを禁止する対イラク制裁を決議した。しかし96年、人道目的の物資購入のための
石油輸出を限定的に認める「石油と食糧交換計画」を開始、99年末には輸出上限枠も撤廃した。
http://www.asahi.com/international/update/0320/005.html