ビンラディン氏拘束騒ぎ、イラン国営放送が発信
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20040229AT2M2802128022004.html 【バーレーン=石川陽平】イランの国営ラジオは28日、情報筋の話として国際テロ組織アルカイダ
の指導者ウサマ・ビンラディン氏がパキスタン領内ですでに拘束されていたとの情報を伝えた。ただ
ロイター通信は、米国防総省高官が拘束を否定したと伝え、いったんは拘束説を伝えた通信社の報道
もすぐに収まった。
ビンラディン氏拘束の情報は、イランの国営ラジオがアフガニスタンなどで使われている
パシュトゥー語の放送で「パキスタンのペシャワルにいる信頼できる筋」から聞いた話として流した。
拘束は「しばらく前」のことで、ブッシュ米大統領が再選に向けたPRとして活用する意向である
ため事実を伏せているという。
アルカイダのメンバーに対する掃討作戦が続くパキスタンとアフガニスタンの国境地帯では、
ビンラディン氏拘束の情報がしばしば流れている。国防総省高官はロイター通信に「今回もそうした
情報の一つにすぎない」との見方を示した。 (07:00)
ビンラディン氏『拘束』駆け巡る
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040229/mng_____kok_____004.shtml 【カイロ=嶋田昭浩】「ビンラディン氏を拘束」−。国営イラン通信は二十八日、国際テロ組織
アルカイダを率いるウサマ・ビンラディン氏がパキスタンで拘束されたと報じた。昨年十二月の
フセイン・イラク元大統領拘束時も、第一報を隣国イランの国営メディアが伝えただけに、日本や
中国、ロシアなど各国の通信社が大々的に配信。しかし、程なく米国防総省やパキスタン政府が
完全否定、騒ぎは収まった。
国営イラン通信によると、拘束を報じたのはイラン国営ラジオの国外向けサービス。二〇〇一年
までビンラディン氏らをかくまっていたアフガニスタンの旧タリバン政権主要メンバーと同じ
パシュトゥン人向けの放送だった。
拘束場所として伝えられたパキスタン北西部の「部族地域」は、実質的に部族による自治に任さ
れており、パシュトゥン人の“人脈”に乗って極秘情報が伝わった可能性は否定できなかった。
しかし、イラン国営ラジオは情報源を「信頼できる筋」としただけで明示せず、「アルカイダ
指導者の拘束はかなり以前に行われたが、ブッシュは米大統領選の時期に公表するつもりだ」と
強調するなど、報道内容には疑問点も多かった。