イラクが新しい国旗の導入を検討していることがわかった。統治評議会筋が毎日新聞に明らかにした。
旧国旗をベースにフセイン政権を象徴するアラビア文字や三つ星を廃止。代わりに月や二つ星を
導入する案が有力だ。近く新国歌とともに、国民に国旗案を示す方針だ。
米英占領軍当局と統治評議会は現在、2月末を目標に中央政府の権限などを定める「基本法」の
制定作業を行っている。その中で、国旗の変更論も高まってきた。
現在のイラク国旗は、バース党将校アブドル・カリム・カーセム(後に首相)が
1958年、クーデターで国王を殺害し、共和制を導入した後、63年に制定された。
勇気を表す赤、寛容の白、イスラムの栄光や伝統を示す黒の3色に、緑色の三つ星があしらわれている。
三つ星は、国家統合や社会主義などバース党のスローガンを象徴する。
フセイン大統領はさらに、異教徒や少数民族への敵対心をあおる意味もあり、
直筆の「アラー(イスラム神)は偉大なり」の文字を国旗に加えた。
新政権の旗は、3色はそのまま残すが、中央部分から文字や三つ星を排除してフセイン色を一掃。
代わりに民族の共存を示す二つ星や、イスラムの象徴である三日月をあしらう案が有力という。
また国の公式文書に押すスタンプなどに使う紋章には、
イスラム圏でよく使われる短剣の図柄を導入する見通し。
(以下略)
毎日新聞
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040121k0000m030120000c.html