【国際】 ロシア:仏製艦の購入検討 軍の近代化優先、NATOから初 「兵器自給」路線変更
http://mainichi.jp/select/world/news/20090930dde007030034000c.html 長年にわたり兵器調達で「鎖国策」を取ってきたロシアが、フランスから「ミストラル」級ヘリコプター搭載艦の購入を検討している。
実現すれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟国から初の購入となる。ロシアの軍事産業はソ連崩壊後、民間に人材が流出したことなどから技術力が低下しており、軍は装備近代化を優先する。
ポポフキン露国防次官はこのほどラジオ番組で「ミストラル」級の購入などについて仏側と協議を進めていることを明らかにした。別のロシア軍幹部によると、国内施設でミストラル級数隻の建造も計画しているという。
ミストラル級は上陸作戦を想定し兵員、ヘリ、戦車、航空機、上陸用舟艇が搭載できる。ロシア軍は同レベルの機能を持つ搭載艦を所有していない。
昨年夏のグルジア紛争で、老朽化した兵器システムを露呈したことで軍の近代化を緊急課題に取り組んでいる。
旧ソ連は第二次大戦以後、自国や旧共産圏からの兵器調達に限定していた。ただ、冷戦後の90年代から、仏やイスラエルとの間で、第三国向けの兵器の共同開発を始めており、
今年に入りイスラエルから無人偵察機の購入を決定した。国防省も「自国産業が最新兵器の研究を進めるが、外国のノウハウも必要」(ポポフキン次官)と積極的に輸入を進める考えを示している。