訪米した首相はブッシュ大統領、上下両院幹部らに「心からおわびする気持ちはまったく変わらない」
と謝罪の意を表明し、軌道修正を図った。だが、大統領は「謝罪を受け入れる」としたものの、
米国内で理解を得られたとは到底いえない。
日本側は「決議案は事実に基づいておらず、日米関係に良い影響を与えない」として決議回避に
努めたが、流れは変えられなかった。十四日付の米紙に載った国会議員やジャーナリスト有志による
反論の意見広告が逆効果となったのも皮肉だ。
慰安婦決議の背景には昨年の米中間選挙で民主党が議会の多数派となった政治環境の変化があるが、
米国社会に根強い批判があることも見過ごせない。
決議は来月、下院本会議で採決される可能性がある。このままでは日米関係に影を落としかねず、
日本政府のいう「静観」だけで事態が収まるとは思えない。適切な対応が必要だ。
以上