1 :
ななし :
01/11/21 10:40 ID:ELPjo/Lq 既に話題に出てるかも知れないが、文芸春秋12月号で、塩野七生女史が 「日本人へ!ビンラディンにどう勝つか」という論文を書いている。 タイトルからすると軍事論のようだが、そうではなく、 *腐敗したアラブ支配者批判 *産油国への米軍駐屯批判 *パレスチナ国家樹立 などを主張している。非常に有益な論文だ!
2 :
1 :01/11/21 10:50 ID:ELPjo/Lq
かいつまんで抜粋すると *テロリストにテロを行う理由を与えないことこそが重要。 *聖地から米英軍は撤退すべきである。石油は市場原理に任せればよい。 *イラクへの制裁解除をすべき。イラクの破壊兵器が危険なら単に監視すれば良い。 *「穏健イスラム」「過激イスラム」の呼び名は、欧米に都合の良い言い方で あって、イスラム側にとっていえば侮蔑的である。 *パレスチナ問題の未解決こそがテロリストに大義名分を与えている。 タリバンの女性抑圧が人権無視ならば、パレスチナの現状も人権無視である。 パレスチナ国家を独立させるだけでなく、人々がイスラエルに経済的に従属 せずに生活できるようにすることが重要だ。
3 :
:01/11/21 11:09 ID:siQHq5sC
どんなに良いこと言っても、 アメリカを説得できなければ意味がない。
4 :
:01/11/21 11:12 ID:z0xsNlkG
ラディソスレに塩野がラディソにホレたという能天気女がいてブッ飛んだ。 チェーザレ・ボルジア自体、オヤジにパラサイトしたしょうもない男なんだけど、 ラディソよりはマシかと。
5 :
抜粋 :01/11/21 11:18 ID:ELPjo/Lq
「イラクへの経済制裁を解除しようという動きはすでにヨーロッパ諸国には あるのだが、それに対する障害は、サダム・フセインが国連による大量 破壊兵器への査察を、言を左右にして逃げていることである。だが・・・ この一事のおかげで動きがとれない状態をつづけるのは利口なやり方とは 思えない。日本は、ヨーロッパ各国と共闘戦線を組んで、イラクに対する 経済制裁の即時解除を主張すべきである。」
6 :
:01/11/21 11:23 ID:ZyUBeqKg
大量破壊兵器への査察なんて、どの常任理事国も受け入れていない のに、よく言うよなあ・・・・。 経済制裁の即時解除大賛成。 タリバンだって、経済制裁に抗議して仏像破壊したんだからな。 仏像が壊されたのは、国際社会の責任。
7 :
抜粋 :01/11/21 11:24 ID:ELPjo/Lq
「アラビア半島への(米英の)軍駐屯の理由は、石油の安定供給確保の ためであるという人もいるだろう。しかし産油国は、石油を売らなければ 生きていけない国々である。石油の主権がアラブ人の手に移ってからは 今までの三十年間そうであったし、これからのこの現状は容易には変らない だろう。ということは、買う相手がいないと彼らも困るのだ。ならば、双方 っともズルをせずに適正な価格で売り買いできる状態が確立でいkれば、 安定供給維持のために軍を駐屯させる必要もなくなるということである。 ・・・ テロリストに大義名分を与えてまで、アラブの“穏健派”(=サウジなど 産油国の支配層)を守ってやる必要は無い。彼らが現に享受している地位と 権力と経済力を保持したければ、彼ら自身の力をふりしぼって善政につとめれば よい。先進諸国の統治者たちが払っている努力を、彼らも払うべきなのだ。・・・ これらの理由で私には、イスラム教徒が聖地というアラビア半島からのアメリカと イギリスの軍の撤退は、十分に可能であると考える。石油も市場原理に任せるが、 統治能力の判定も、市場原理、つまりその国の人々に任せるということである。」
8 :
抜粋 :01/11/21 11:35 ID:ELPjo/Lq
「何にもましてテロリストに大義名分を与えているのが、つまり、 テロ撲滅の障害になっているのが、パレスティーナ問題にあることは 明らかであろう。・・・ タリバンによって頭から足の先までブルカで隠すことを強いられ、 学問も仕事もできない状態におかれているアフガニスタンの女たちが 人権無視の象徴ならば、パレスティーナの人々の現状も人権無視である。 人権尊重をモットーにする文明国の人間(われわれ日本人も入る)にとって これを放置しておくことは恥である。・・・ 関係諸国の努力が成功して、イスラエルとパレスティーナが隣り合う独立国 として成立し公認された後でも、パレスティーナ人がイスラエル人に首根っこを つかまれている状態が続く限り、問題の根本的な解決にはならない。・・・ パレスティーナ人がイスラエルで働かないでは生活できないという現状が少しでも 改善されていれば、誕生後のパレスティーナとイスラエルの相互関係も、より 健全にはじまるはずである。」
9 :
当然だ!! :01/11/21 11:37 ID:ZyUBeqKg
>イスラム教徒が聖地というアラビア半島からのアメリカと >イギリスの軍の撤退は、十分に可能であると考える。 >石油も市場原理に任せるが、統治能力の判定も、市場原理、 >つまりその国の人々に任せるということである。 ここで何度その正論が出ても、それが理解できない一部の人々 が居るのが不思議。 石油の安定供給さえ公正なルールのもとに行われていない。 テロを断固許さない。それはそれでいい。 では、今までに起こったテロに国際社会は責任を取らなくて 良いのか? テロが起こるような、歪みを許してきたのは国際社会だ。 国際社会の問題解決に手をこまねいているような国連を 改革もせずに放置してきたことにも責任があるよ。
10 :
抜粋 :01/11/21 11:45 ID:ELPjo/Lq
「現在進行中のアフガニスタンでのタリバンとビンラディン一味を抹殺 する軍事行動は、これをやると決めたアメリカとイギリスにまかせて おけばよい。彼らには十分な理由があり、われわれ日本はその理由を 認めたのだから、アメリカがやってくれと言ってきたことだけに応じて いればよいのだ。・・・ この際、われらが日本は、パラスティーナ国家の支援に名乗りをあげては どうか。パレスティーナが独立した国家として誕生するまで待っていて、 その後になって名乗りを上げるのではない。まだ誕生していない今すぐに 名乗りをあげるのだ。 なぜなら、誕生するのにいつまでかかるかわからないことが第一の理由。 第二の理由は、・・・パレスティーナ人がイスラエルで働かないでは生活できない という現状が少しでも改善されていれば、誕生後のパレスティーナとイスラエルの 相互関係もより健全に始まるはずである。」
11 :
:01/11/21 11:49 ID:QM3pRvM6
よくある理想論じゃん
12 :
:01/11/21 11:52 ID:rBd9H3m3
その原稿の冒頭の、電話をかけてきた「日本の若い友人」って 平野啓一郎とみた!
13 :
:01/11/21 11:53 ID:NKwIO6Jv
>この際、われらが日本は、パラスティーナ国家の支援に名乗りをあげては >どうか。パレスティーナが独立した国家として誕生するまで待っていて、 >その後になって名乗りを上げるのではない。まだ誕生していない今すぐに >名乗りをあげるのだ。 名乗りをあげない方がいいぞ。 海千山千の化け物がぞろぞろ出てくるような問題には 関わらない方が吉。
14 :
塩野ファン :01/11/21 11:57 ID:uOFm6dZs
塩婆の本、読んだことないんだろ? 結局、ただの英雄好き。ミーハーオバチャン。でも読んでるけど。 ファンの間でも「また〜塩野センセイったら」と微苦笑することしきり。 だいたい権威主義のオヤジ経営者連中に人気あるんだけど、 2ちゃんねらーの君たちもファンになったのかい?これは一大事だ。 文春の記事は理想論が暴走気味。マトモに取ってんだね。
15 :
:01/11/21 11:59 ID:NKwIO6Jv
>塩婆の本、読んだことないんだろ? 「ローマ人の物語 VII 悪名高き皇帝たち」てのを 今ちょうど読んでるが。論理はおろか日本語として もへんだぞ。
16 :
:01/11/21 12:00 ID:ZyUBeqKg
理想論も時には必要だよ。 国際間の民主主義が完全にアメリカに破壊されたからね。
17 :
:01/11/21 12:07 ID:siQHq5sC
>16 国際間の民主主義って、意味がよくわからん。
18 :
:01/11/21 12:19 ID:YOISrU3M
古代ローマに倣って、まずアフガニスタンにアメリカ軍団を派遣し、 各地の武装勢力を制圧、その後アメリカの属州としてアメリカ化し、 徐々に現地の指導者を育成していくというのは? って、ここまで書いて気づいたけど、昔アメリカが日本にやったこと そのままじゃん。(w
19 :
:01/11/21 12:23 ID:JIfpPg6N
もうマキャベリ気取りはいいよ 21世紀なんだし
20 :
:01/11/21 12:24 ID:/LmYDvDX
春秋の論文読んだけど、ところでローマ人の物語最新刊はいつ出るんですか? 10月頃出るのかなと思ってたんですが。
21 :
:01/11/21 12:29 ID:c6CYNfB4
>>15 おい、おまえ。
まさかブックカバーなぞかけちゃいないだろうな。
22 :
:01/11/21 12:37 ID:ZyUBeqKg
>>17 簡単に言うと
強い国が弱い国を押さえつけて言い分を通すことが
国際関係では今は普通です。
しかしこれは民主的な国際関係ではありません。
植民地を持つ国家。植民地化させて他国を支配する国家
がある限り、国際間の民主主義は存在しません。
イギリスもアメリカも二言目には「デモクラシー」といいますが
パワーポリテイクスである限り、民主主義の基本である
人間の平等、自由な関係というものが(国家間で)
存在しぇないのです。駐留米軍の意味も「支配」の一形態であると
解釈できます。
23 :
中葉 :01/11/21 12:56 ID:bQdZt6ce
22さんに同意。
つまり、アメリカ合衆国にも、21世紀に通用する国内民主主義がないということ!
しかし、例外的な新しい方向が、以下のように、ヒューレット・パッカードの社長の
二つの演説によって示されたことは注目に値する。
CARLY FIORINA, APEC CEO SUMMIT, SHANGHAI, CHINA, OCTOBER 19, 2001, "A WORLD OF CHANGE"
http://www.hp.com/hpinfo/execteam/speeches/fiorina/apec_01.htm CARLY FIORINA, MINNEAPOLIS, MINNESOTA, SEPTEMBER 26, 2001, "TECHNOLOGY, BUSINESS AND OUR WAY OF LIFE: WHAT'S NEXT"
http://www.hp.com/hpinfo/execteam/speeches/fiorina/minnesota01.htm
24 :
:01/11/21 13:16 ID:NKwIO6Jv
>>19 彼女の場合シーザー萌え萌えです。
わたしゃウエルキンゲトリクス(ヴェルサンジェトリクス)ファンな
ので、塩野女史がテレビでカエサル(シーザー)の手柄ばかり吹き上げているんで
腹立てたことがある。
25 :
中葉 :01/11/21 13:37 ID:bQdZt6ce
>16 国際間の民主主義が完全にアメリカに壊されたからね。 これが同時多発テロ後に始まったのならばまだ許せるが、その前に発行された Foreign Affairs September/October 2001 の論文、シカゴ大学の Mearsheimer教授の論文、The Future of the American Pacifier によれば、あめりか合衆国の国際的な帝国主義は、昔から近未来まで変わらないし 変えるべきでないといっている。 石原莞爾将軍はじめ、当時の日本の責任者の胸中は察するに余りある。 われわれは何をしているんだろう???
26 :
思うに :01/11/21 14:10 ID:ELPjo/Lq
日本の保守・右派層こそ、塩野エッセイを 読んでよくよく考えるべきだな 国家戦略という意味で。
27 :
:01/11/21 16:08 ID:/LmYDvDX
28 :
週刊水曜日 :01/11/21 16:42 ID:6ozq7tko
29 :
:01/11/21 18:55 ID:wu6PmoQ2
>>22 なにか根本的な見当違いをしてると思うんですけど
30 :
:01/11/21 19:24 ID:y/nq6rYr
理想論だなぁ。 ただ、アフガンには関与せずパレスチナを支援する点には賛成。 日本がどう動こうと中東のパワーバランスはしばらく変わらんだろうし、 それならパレスチナカードは結構おいしい。
31 :
け :01/11/21 20:04 ID:Ng/nmUXI
問題点 1 いかに正しい主張であってもテロリストの主張は受け入れられない。 2 石油を数年(十数年)不安定な状況下に置くことに賛成する国がどれほどあるというのか? 解決策:世の中が石油に頼らなくなってから実行するしかないと思われ
32 :
:01/11/21 20:12 ID:NKwIO6Jv
>いかに正しい主張であってもテロリストの主張は受け入れられない。 テロ対策の教科書に載っていそうで、かつ亜流の人もそう言うん だよね。でも、それってその種の研究者の「原理主義」なんだよ ね。 主張に正しい部分を含んでいたら、それを無視しつづけるのは危険 なんだよね。まあ今回程度はいいとしてもある臨界点を超えると逆に テロへの同情をあおる結果になる。 それにその種の「テロリストとは交渉しない論」が過去のパレスチナ 問題でどんな役割を果たしてきたかも考えるといいと思う。 まぁ原理主義は危険だよね、なんにしろ。
33 :
32 :01/11/21 20:15 ID:NKwIO6Jv
>いかに正しい主張であってもテロリストの主張は受け入れられない。 ただし、今回についてはそれでもいいと思うけど。 主張の受け入れの余地はない。 まぁ、32は念のための注意ですな。
34 :
:01/11/21 20:15 ID:zzbUbxIm
俺はパレスチナ民族と云うものは存在しないという立場なんで、 塩野には反対。だいたい、あれは国連が線を引いたからできた ようなもんだ。パレスチナに自治権があるという前提を受け入 れることが問題を複雑にする。 ヨルダンがパレスチナに対する主権を主張し、イスラエルはパ レスチナをヨルダンから租借すればいい。ヨルダンは世界で最 も多くパレスチナ難民を受け入れてるんだから、そのくらいの 権利はくれてやれ。ヨルダンとイスラエルの2国間問題に単純 化すれば、話はもっと簡単になる。
35 :
じ :01/11/21 20:42 ID:NDb3cvnk
>34 「イスラエル人」なんてヘンテコなモノが出来たのだからパレスチナ人もいて当然よ。
36 :
:01/11/21 20:46 ID:uDTXOL7Z
イスラエル民族は存在しない。
>>34 基本的に同意。
ていうか、ヨルダンってのはその成立のいきさつから見ても、明らかにパレスチナ国家
なんだよね。
PLOってのもクーデターでヨルダンの実権を奪おうとして追い出された連中だし。
もしクーデターが成功していたら、PLO支配のパレスチナ国家ヨルダンが失った領土、
「ヨルダン川西岸」への失地回復を狙うというずっと判りやすい構図になっていたろう。
サウジ駐留にしても、なぜ米軍がサウジに居るのかという基本的認識に欠けているような気がする。
あれは湾岸戦争が契機になっているので、撤退するにはサダム・フセインをどうするのかという問題
に答えを出さなければならない。
いずれにしろ、仮にテロリストに口実を与えないためこれらの問題解決に乗り出すという言い分を認
めるにしても、テロリストに屈服したものではないことを示すため、ビンラディンとアルカイーダは
必ずや殲滅されねばならない。
この点については塩野は全く異を唱えていない。
アメリカにはビンラディン一味を抹殺する正当な理由があると書いているのだから、此処の所を無視
してこの論文を論じるんじゃないよ。
38 :
あげ :01/11/21 23:14 ID:GeDdZ1oV
あげ
39 :
:01/11/21 23:26 ID:HM7EdGtL
ローマ帝国が滅んだのは気候が悪くなったせい。
>>37 塩野論文読んでみたが、米国を積極的に支持しているというより
皮肉っぽく突き放しているようなスタンスだよ、あれは。
皮肉がわからんのか?
41 :
h :01/11/22 18:13 ID:V/rcmj4Y
この人の「マキャべリの「君主論」」読んだっけ
42 :
ぬ :01/11/22 23:07 ID:Kgmw8X8H
米国が、爆撃と同時に食料を投下しているのも 塩野女史は揶揄していたね。 「米国は爆撃だけに専念して、食料は別な機関に任せるのが 良い」 とか、あれは明らかに皮肉。 西部劇のOK牧場にたとえたり。
43 :
ふーむ :01/11/23 00:49 ID:iGEcsRA0
>>2 なるほど、もっともだ。我輩も賛同する。
厨房の雑言は無視しようぜ。
44 :
:01/11/23 04:11 ID:+rSYoXg9
45 :
:01/11/23 04:40 ID:vMHlZZbF
ババァいいこと言った!
46 :
婆専 :01/11/23 10:05 ID:b7AHK/7x
アメリカがローマ帝国なら ビンラディン氏はキリストだね。
47 :
賢人 :01/11/23 10:26 ID:p8Tq5pPc
かなりマトモなスレだな わしも賛同するよ
ヨーロッパの歴史とか文化を研究した作家や評論家は アメリカに対しては突き放したような皮肉な態度を とることが多いようだな
49 :
:
01/11/23 19:24 ID:X3ETgnzJ >>48 ヨーロッパの人間はアメリカのことは突き放して
はいないけど、やんちゃな国だとか思ってるかな。
19世紀の視点から見ればアメリカは市民革命
の実験国家だったろうからね。自由の女神とか。
ヨーロッパで”さえ”そうだから他の地域とかってあまり
アメリカのこと面白く思っていないじゃないかな?
漠然とした意見ですんません