イヤホン「初めまして……お兄様。」 俺「うああぁぁああああ!?」
1 :
名も無き被検体774号+:
深夜1時 自室
俺「よ〜し。○×大学の過去問、ばっちり合格点取れたな。」
俺「うわ…。もう1時か。でも受験まであまり時間ねぇしなぁ、もうひと頑張りしてから寝るか。」
俺「英語のリスニングでもやっとくか。ウォークマンは……と、あったあった。」
俺「よーし。そんじゃやるか。」
カチッ
ウォークマン「ガガ……キキキ……ガガガガガ……」
俺「…あ、あれ?…なんだこのノイズ……。」
俺「……ついにイヤホンジャックが駄目になったか……もうかなり古いし……。」
俺「うーん。参ったなぁ。イヤホンの予備とかねぇしなぁ。」ガサゴソ
俺「あ、そうだ。そういや妹なら余分に1つくらい持ってるよな。」
俺「おーい妹。」
ガチャ
2 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 01:57:15.53 ID:jfi8XjSi0
…………
3 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 01:58:40.36 ID:CuaF0uSq0
妹「Zzz…」
俺「寝てたか。」
妹「……」
俺(またパソコン扱ってる途中に寝たのか。ちゃんと布団で寝ればいいのに。)
妹「……」
俺(起こすと怒られそうだし…。そっとしておこう……。)
妹「……」
俺(さて、イヤホンは、っと……うーん?ヘッドホンはあるけどイヤホンはないなぁ……。)
俺(えーっと、イヤホン…イヤホン……)
俺(ぉ!あれイヤホンじゃないか?)
ヒョイ
俺(お!やっぱそうだ)
ゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワ
俺「っうお!!」ゾワゾワゾワゾワゾワゾワ
俺(………なんだこの悪寒っ!!)
俺「……っ」ゾワゾワゾワゾワ
俺「………。」
4 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 01:59:12.24 ID:CuaF0uSq0
……
………?
俺「……おさまった。なんだったんだ今の……。」
俺「……………気味悪っ……。」
…。
俺「まぁ……いいや…。」
俺「んじゃ、妹。ちょっと借りるぜ〜。」
妹「Zzz…」
俺「えーっと毛布は、っと、あったあった。」
パサァ
妹「Zzz…」
バタン
5 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 01:59:56.73 ID:CuaF0uSq0
俺「さてっと。それじゃあ始めるか。」 キュ キュ
イヤホン「ごほん…」
俺「え?」
俺(あれ?いま咳払いみたいなのが…)
イヤホン「初めまして……お兄様。」
俺「うああぁぁああああああああああああああああああああああああああ!?」
イヤホン「…………」
俺(は?!何だ今の!!イヤホンから……女の子の声が!!)
イヤホン「…ごめんなさい。お兄様。驚かせてしまいましたね。」
俺「うぉぉああああああぁあああ?!やっぱり気のせいじゃねえ!!」
イヤホン「はい。お兄様の耳がおかしくなったわけではありません。」
俺「お、俺の声が聞こえてんの?」
イヤホン「えぇ、しっかり聞こえています。」
俺「な、なんでイヤホンが喋れるんだ!このイヤホンそんな高性能な機能が付いてんのか?!」
イヤホン「いいえ。そんな機能は付いていません。」
俺「じゃ、じゃあなんで?」
イヤホン「うぅ…。あまり細かい事は気にしないでいただけるとありがたいのですが。」
俺「いやいや!!絶対細かい事じゃないってば!!このイヤホンまだ何にも繋げてないんだぞ!!」
イヤホン「そうですね。」
俺「『そうですね。』じゃねえよ!!w 一体どういう―――!!」
ガチャ
妹「うるっさあああああああああああああああああああああいいいい!!!」
6 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:00:28.87 ID:CuaF0uSq0
俺「うぁ!妹!?」
妹「うっさいっての!!!マジでいま何時だと思ってんの?!!」
俺「い、1時……。深夜1時。」
妹「そういう意味で聞いてんじゃないってのこの馬鹿!!!!!」
俺「え、えぇ?」
妹「こんな時間にキモイ声で大声出すなって言ってんの!!!!」
俺「あ、ご、ごめん。気をつける。」
妹「…っ………………。」
俺「………ごめん。」
妹「……っ…。」
バタン
俺「……。」
イヤホン「……………いっ…」
俺「ん?」
イヤホン「いえ、なんでもありません。えっと……い、いまの声はどちら様で?」
俺「え?あぁ…妹だよ。」
イヤホン「…妹様でしたか。」
俺「うん。」
イヤホン「ふふw とても仲がよろしいようで♪」
俺「はあ!? どこをどう見れば仲が良さそうになんて見えたんだよ。」
イヤホン「見えましたよ?」
俺「いや……目、見えないだろ。」
イヤホン「揚げ足を取るのがお上手なのですね。お兄様。」
俺「うるさいよw っていうか。だあああ!!もう!!なんで自然に会話とかしちゃってんだ俺!!」
イヤホン「ふふ。」
7 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:01:11.87 ID:CuaF0uSq0
…。
俺「…………マジで、喋れるんだな。」
イヤホン「えぇ、喋れますよ。喋るどころか会話も出来ますっ!」(ドヤァ)
俺「なんか、奇妙な感じだ…。」
イヤホン「まだ信じられませんか?」
俺「いや。んー、なんつうか。まだ、ドッキリか何かで監視カメラでも仕掛けられてんじゃないかって疑ってんだけど。」
イヤホン「疑い深いのですね。」
俺「非現実的過ぎて……信じられない……。」
イヤホン「無理もありません。何も接続していないイヤホンを耳に付けて、声が聞こえるなんて本来ありえませんから。」
俺「自分を否定してないか?w」
イヤホン「事実を述べたまでですよ。 現に私という存在は普通じゃありませんし。」
俺「妙に自虐的だな…まぁ、わかったよ。深く考えないようにする。」
イヤホン「はい。そうしていただけると私も助かります。」
俺「とにかく俺は今から英語のリスニングテストの試験勉強をしたいんだけども。」
イヤホン「あ、はい。是非どうぞ…。それが私の本来のお役目ですし。」
俺「うん。」
イヤホン「…………そ、それでは……どうぞ…///」
俺「??…な、なんだよ急に改まって…。」
イヤホン「わ、私の身体を使って下さい///」
俺「…ちょww なんでそんな言い方すんだよw」
イヤホン「す、すみません///」
俺「……なんか調子狂うなぁ…」
イヤホン「お気になさらずっ!」
俺「じゃ、じゃあ…」スゥー
イヤホン「はっ!!あ、あの!!!ちょっと待っていただけますか?」
8 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:01:43.61 ID:CuaF0uSq0
俺「んえ?!」ピタッ
イヤホン「ちょっと…心の準備が……」
俺「え?!」
イヤホン「私、繋ぐのは久しぶりでして……」
俺「………は、はい?」
イヤホン「すぅ〜〜〜はぁ〜〜〜。すぅ〜〜〜はぁ〜〜〜。……………うん。」
俺「……あの〜。」
イヤホン「は、はい。………お願いします。」
俺(これどういう状況だよ………。)
俺(とりあえず挿していいんだよな…?)
俺(ゆ、ゆっくりした方が…いいのかな………。)
俺「じゃ、じゃあいくよ?」
プス
イヤホン「はぅん///……!!」
9 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:02:18.88 ID:CuaF0uSq0
俺「!?」
イヤホン「っぁぁ///」
俺「ちょww 変な声出すなよw」
イヤホン「ぁん///…ご、ごめんなさっ」
俺「全部挿して大丈夫?」
イヤホン「え!?まだ全部入っていないんですか!?」
俺「あ、ああ。まだ全然ささってない。半分以上残ってるし。」
イヤホン「ふええ!?まだ半分も…!?」
俺「………。」
イヤホン「ぅぅ……。」
俺「……。」
イヤホン「……お願いします。もう遠慮なさらずに、奥まで一気にお願いします!!」
俺「い、いいのか?」
イヤホン「は、はい。………お願いします。」
俺「じゃあ、いくぞ?」
ズブブブ
イヤホン「んぁあああぁああ……///」
カチ
俺「よし。ちゃんとささったぞ。」
イヤホン「ふぁ///……」
イヤホン「…ハァハァ………射す側というのは……こんな感じなのですね///」
俺「え?」
イヤホン「はっ/// いあ/// なんでもありません。」
10 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:02:50.13 ID:CuaF0uSq0
俺「…大丈夫か?」
イヤホン「な、なんとか/// 平気です。……ハァハァ。優しいのですね。お兄様。」
俺「え?い、いや。別に。」
イヤホン「謙遜される事なんてありません///…ハァ……お兄様は…やっぱりお優しいです。」
俺「お、おう……。」
イヤホン「もう…大丈夫です。すみません。大事なお時間を無駄にしてしまって。」
俺「いや、別にいいんだけどさ。まぁ、とりあえずリスニング流すから。」
イヤホン「はい。頑張って下さい。お兄様。」
俺「うん。」
イヤホン「……ハァ…ハァ。」
俺(微妙にまだ吐息が聞こえる気がするんだけど…。)
俺(やべぇ…集中出来ねえw)
11 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:03:21.83 ID:CuaF0uSq0
―数分後―
イヤホン「……………スゥ」
俺(あ、あれ?)
イヤホン「…………スゥ………スゥ………スゥ……」
俺(もしかして…寝てるのか?)
イヤホン「…スゥ………スゥ………スゥ………ふにゃぁ……スゥ………スゥ……」
俺(イヤホンも寝るのか………w)
俺(というか、マジで…これ夢じゃないのか……)
俺(常識的に考えてイヤホンが意思を持ってるとかありえないよな。)
俺 ギュゥ〜〜〜〜
俺(痛てぇw………うぅ…夢じゃないよな。やっぱ疲れてんのかな…。俺。)
俺(とりあえず、今日は寝るか。)
俺「お、おやすみ」
イヤホン「んん〜〜…………スゥ………スゥ………スゥ………」
12 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:03:59.67 ID:CuaF0uSq0
―翌朝― 7時 自室
ピピピピピピピピピピピ
カチッ
俺「うぅ…もう朝か。」
俺 ゴシゴシ
俺「ん?あ……イヤホン…………。」
ヒョイ
俺「………昨日は疲れ過ぎてて、幻聴が聞こえてただけ…………とか。」
キュ キュ
イヤホン「おはようございます。お兄様。」
俺「………………。」
イヤホン「??どうかされましたか?」
俺「いや…なんでもない。」
イヤホン「お身体の具合でも悪いのですか?」
俺「ううん。ごめんごめん。ちょっと寝惚けてただけ。」
イヤホン「そうですか。……先日は色々とすみませんでした。」
俺「いや、いいよ。気にしなくて。」
イヤホン「あの後、突然睡魔に襲われた気分になっちゃいまして…///」
俺「なんでちょっと嬉しそうなんだよw」
イヤホン「ごめんなさい/// 昨日の事を思い出したら……つい…///」
俺「まぁいいや。」
13 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:04:32.25 ID:CuaF0uSq0
俺「それよりさ…。」
イヤホン「??何でしょう?」
俺「いやぁ…、なんというか。今後何度も同じようにイヤホン使うと思うんだけど。」
イヤホン「あ……、そ、そうなりますよね……。」
俺「う、うん…。」
イヤホン「わ、私、頑張りますね!?お兄様!」
俺「あ、あぁ………出来れば差し替える度に変な声出すのはやめてくれな…。」
イヤホン「しょ、精進します…///」
俺「じゃ、じゃあちょっと朝ごはん食べてくるから。」
イヤホン「はい!いってらっしゃいませ。」
14 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:05:47.93 ID:CuaF0uSq0
俺「おはよ〜。」
母「おはよう。もうトースト焼いてるわよ。」
俺「おぉ、ありがと。」
俺「(モグモグ)」
俺「ごちそうさま」
母「は〜い」
俺「ん?そういえば妹は?」
母「あら、まだ起きてこないわね。ちょっと起こしてきてちょうだい。」
俺「えぇー。なんで俺が……ったく、仕方ねえな。」
母「ありがとう。お兄ちゃん♪」
俺「うるさい。」
母「ふふふw」
俺「おーい。妹〜。遅刻すっぞ〜。」
ガチャ
妹「っ!?!」
俺「ぁ………………」
15 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:06:20.36 ID:CuaF0uSq0
妹「……ふっあ?!」
俺「……っ」
妹「…………っ……ァ……」
俺「……アハ……。」そぉ〜
バタン
俺「…………」
妹「…んあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!死゛ッんねえ゛゛゛クソ兄貴―――――――!!!!!!」
俺「うわあああああああああああああああああああぁぁぁああ!!!!!」
ドガガガガガガガガガガガ!!!!!!!
母「あらあら」ニヤニヤ
16 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:07:17.96 ID:CuaF0uSq0
朝7時半 通学路
俺「で、朝から強烈な飛び膝蹴りをお見舞いされた……。」イライラ
イヤホン「あのぉ…、恐れ入りますが……。非はお兄様にあります……。」
俺「えぇ?なんで俺が悪いんだよ。俺被害者じゃん。」
イヤホン「…なんで、と申されましても……おわかりになりませんか?」
俺「わかんねぇ。」
イヤホン「あう…」
俺「………。」
イヤホン「……ノックもせずに、女の子の部屋の扉を開けたりしちゃ駄目だと思います。」
俺「??妹だって昨日、俺の部屋にノックせずに怒鳴り込んできたじゃん。」
イヤホン「あれはお兄様が大声をあげたからですよ。」
俺「いやいやw それも元はと言えばっ…。」
イヤホン「ぁ…すみません。私が原因でしたね……。」
俺「あ……。まぁ、いいんだけどさ。別に『イヤ』のせいじゃないし」
イヤホン「……『イヤ』?…。」
俺「あーなんか、イヤホンって毎回呼ぶのメンドクサイし『イヤ』でいいよな?…。」
イヤホン「わ、私の事ですか?!」
俺「他に誰がいるんだよw」
イヤ「それもそうですね……。」
…
17 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:08:01.34 ID:CuaF0uSq0
イヤ「……っ///」
俺「どうかした?」
イヤ「いえっ!何でもありませんっ!」
周囲の人1「おいおい、あいつさっきから独り言酷くね?」
周囲の人2「ああいうの見るとマジで引くわ〜w」
周囲の人3「シッ……構うなって。目合わせるな。」
俺「うっ……しまった…。」
イヤ「あ、そうそうお兄様。言い忘れていました。」
俺「な、なんだ?」ヒソヒソ
イヤ「私とお兄様は、別に声に出して喋らなくても会話出来るんですよ?」
俺「最初に言えやああああああぁあっぁあぁあああああああぁぁああああ!!!!!!!」
18 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:08:34.90 ID:CuaF0uSq0
俺「で?どうすりゃいいの。」
イヤ「えーっと、まず、人目につかないところに行っていただきたいのですが。」
俺「え?誰かに見られるとマズイのか?」
イヤ「繋がるところは…見られない方がいいですね。」
俺「…なんか引っかかる言い方だな……。とりあえず、そこの公衆トイレ入るよ。」
イヤ「はいっ。」
カチャン
俺「よし、入ったぞ。」
イヤ「お手数おかけします。ではまずウォークマンから私を抜いていただいていいですか?」
俺「あぁ、わかった。」
ピンッ
イヤ「ひゃっ!!」ビクビク
俺「あっ!」
イヤ「っっ!!」ビク
俺「す、すまん。」
イヤ「いいえ…っ………。」
俺「大丈夫?」
イヤ「はい…大丈夫です/// では、仕切り直しまして、今度は制服の上着を一度脱いで下さい。」
俺「お、おう…。」
19 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:09:05.88 ID:CuaF0uSq0
ヌギヌギ
俺「脱いだぞ。」
イヤ「で、ではですね。私のイヤホンジャックを………」
イヤ「お兄様のおへそに挿しこんで下さいっ。」
俺「は?」
イヤ「お兄様のおへそに挿しこんで下さいっ!」
俺「聞こえてるよww そうじゃなくてっ! 刺さるわけないだろ!!ww」
イヤ「刺さるんですっ」
俺「絶対無理だってw 俺のおへそそんなに深くないからww」
イヤ「騙されたと思って挿してみて下さい。」
俺「いや……でも…。」
イヤ「減るもんじゃありませんしっ♪」
俺「…うぅ…。……わかったよ。やってみる…。絶対無理だと思うけど……。」
プスゥ
俺「っ!?」
20 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:09:37.47 ID:CuaF0uSq0
イヤ「はい。これで完了です。」
ホワアァァァ〜〜〜〜ン
俺「なんだコレ!!何が起きてんだ!?」
イヤ「うーん……。すみませんがお答え出来ません。」
俺「……俺のへそ…なんか青白く光ってんだけどw」
イヤ「……お気になさらないで下さい。」
俺「………。」
イヤ「………。」
へそ(ポワァ〜ン)
俺「イヤが気にするなって言う事って、この世の理論から反する事ばっかりだよな。」
イヤ「…すみません。」
俺「まぁ、いいや。」
イヤ「っと、それよりお気付きになられました?」
俺「え??何が?」
イヤ「お兄様は、いま声を出さずに私と会話をしていますよ?」
俺「!?」
イヤ「ふふふw」
俺「ホントだ!!頭の中で考えただけでイヤと話せてるっ!!」
21 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:10:09.75 ID:CuaF0uSq0
イヤ「私をおへそに繋ぐと、頭で考えただけでお話が出来るようになります。」
イヤ「ただ、私の声はイヤホンを介してでないと聞こえませんので、完全なテレパシーのような事は出来ないのですが。」
俺「十分だよw これで周りから白い目で見られずに済みそうだ。」
イヤ「本当は…お兄様と繋がる時も『あの』感じがするのかと期待していたのですが……残念ながら何も感じませんでした。」
俺「………それは……どうでもいいな。」
イヤ「むぅ〜。」
22 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:10:41.53 ID:CuaF0uSq0
朝9時 高校前
俺「そろそろ先生とかに見つかるとマズイから外すな。」
イヤ「はい。それではお兄様。お勉強頑張って下さい。」
俺「あぁ。ありがとう。それじゃ、帰りにまた話そう。」
イヤ「はい。お待ちしてます。」
俺「ところでお腹のコレはどうやって抜くんだ?」
イヤ「ちょっと強引に引っ張ってみて下さい。」
俺「ん。」
ポンッ
俺「あ、取れた。」
イヤ「では、帰りにまたお話しましょうね。お兄様。」
俺「あぁ。」
スッ スッ
俺(……なんともまぁ、この世には不思議な事があるもんだ…。)
俺(………。)
23 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:11:12.74 ID:CuaF0uSq0
午後5時 放課後
スゥ
俺「イヤ聞こえる?」
イヤ「はい、お兄様。聞こえていますよ。」
俺「やっぱ何度聞いても信じがたい現象だよね…コレ。」
イヤ「そのうち慣れますから。」
俺「…どうかなぁw あ、そういえば。」
イヤ「はい?」
俺「無粋な事を聞くようで悪いんだけどさ。」
イヤ「構いませんよ。」
俺「イヤって…何か食べたりするの?」
イヤ「いいえ。食事や睡眠といった欲求は基本的には一定に保たれていますので、存在しないと言ってもいいくらいですね。」
俺「じゃあ…食事とかは必要ないんだな。」
イヤ「はい。ただ、意識を『空腹』に集中させるとお腹を空かす事が出来ますし、『睡眠』に集中させると『眠くなる』事が出来ます。その逆も然りですね。」
イヤ「今の私はこのような存在ですので、飲食のような物理的な欲求はほとんど満たせませんから、求めるだけ無駄ですので意識致しません。」
イヤ「……///。……で、でも幸い神経はありますので、身体の感覚はあるんですよ。自分では動かせませんけど///」
俺「…………。」
イヤ「で、ですので、以前のように…。」
イヤ「お兄様に手を貸していただけさえすれば、満たせる欲求もあったり…します///」
俺「……………。」
24 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:11:45.42 ID:CuaF0uSq0
イヤ「……///」
俺「………。」
イヤ「……///」
俺「なんだよ…」
イヤ「…え?///えへへ……。」
俺「………。」
イヤ「あ、あの、つまりですね!?私は欲求を制御出来ますので、『飲食』や『睡眠』の心配は必要ないのですが、」
俺「つまり全ての欲求はイヤの意思で満たせるという事だな。」
イヤ「い、いえ…!で、ですから…!!」
俺「ふむ。とりあえずそれがわかればいいや。」
イヤ「あ、あのっ!!『飲食』や『睡眠』の欲求『は』満たせるのですが、この身体はお兄様に―
俺「あっ!やばっ!登下校の見張り教師がいるっ!ちょっと外す!!」
ピン ピン
イヤ「あぁあ!!待ってお兄様っ!」
イヤ「はぅぅっ……」
25 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:12:16.42 ID:CuaF0uSq0
夕6時 自宅前
キュ
俺「よし、もう着くよw」
イヤ「………。」
俺「……あれ?イヤ?」
イヤ「…………ふんっ」プンスカ
俺「あらら。イヤも怒る事があるんだな。」
イヤ「怒っているのではありませんっ。不機嫌なだけです。」プンプン
俺「ははw そんなの不機嫌な内に入らないってw」
イヤ「私は怒っていますっ!!」
俺「全然怒ってるようには感じないよw むしろ可愛いレベルだw」
イヤ「うぅ…!本当に怒ってるんですっ!」
俺「はいはい。そう言う事にしておくよw でも俺の妹と比べると今のイヤは上機嫌レベルだよw」
イヤ「妹様?」
俺「あぁ。あいつが不機嫌な時とか、まず口なんて利いてくれないしなw『近寄るな』オーラも全快だし。」
イヤ「………そうなのですか……。……チッ」
俺「え??」
イヤ「?…。どうかされました?」
俺「あ、ううん。なんでもない。」
俺(い、今舌打ちみたいな音が聞こえた気がしたんだが…気のせいか。)
26 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:12:47.94 ID:CuaF0uSq0
俺「あ、そうそう。話変わるけどさ。さっきちょっと気になった事があるんだけど。」
イヤ「はい?」
俺「さっき欲求の話を聞いた時に『今の私はこのような存在ですので』って言ってたけど、別の形で存在する事も出来るのか?」
イヤ「ワタシソンナコトイイマシタッケ」
俺「おいっ急に棒読みしてんじゃねえよwww」
イヤ「何も思い出せませーん。忘れましたーっ!」
俺「ちょww 絶対覚えてんだろww」
イヤ「………」
俺「ぁー、まぁ話したくないなら別にいいけどさ。」
俺「っと。着いた。」
俺「ただいまー。」
ガチャ バタン
27 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:13:19.85 ID:CuaF0uSq0
ブーーーーウィン
ブーーーーウィン
ブーーーーウィン
俺「…な、何の音だ……?」
イヤ「はい?」
俺「なんか妹の部屋から変な音が聞こえるんだけど。」
イヤ「…ど……泥棒ですかっ?!」
俺「え?……そんなまさか……。」
俺 ソロォ~
妹「ハァ………ハァ…………」グスッ
ガチャ
俺「妹?」
イヤ「ちょっとお兄様っ!!」
俺「あ」
………コンコン!
イヤ「……ノックが遅すぎです…。お兄様……。」
28 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:13:51.39 ID:CuaF0uSq0
妹「!??!」
俺「え?妹…。………もう寝てんの?具合でも悪いのか?」
妹「ひっ!!!」
俺「??」
妹「め、目閉じろおおおおっ!!……!?」
俺「え?」
妹「早く閉じろっ!!!」
俺「え?あぁ。―――これでいいのk うぐおっ!!」
ドシーン
妹「この馬鹿ぁあ゛っっ……っ!!」
俺「ちょ……!!ぐるじ…っ!!放っ。」
ググググググググググググッ
俺「放じで……!!死゛ぬっ…!!マ゛ジッ゛死゛………!!」ジタバタジタバタ
妹「っ!!!!」
ググググググググググッ
俺「ぐるじ……っ!!」
妹「………………」
俺「………っ………っ………」
パタッ
妹「…。」
29 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:14:39.75 ID:CuaF0uSq0
パチッ
俺「!?」
俺「……ここ、俺の部屋か。」
俺「あ、あれ?……俺なんで部屋で寝てたんだ……。」
俺「あっ!!!」
俺 パッ パッ
俺「ない。イヤホンが……っ!」
コンコン
俺「!?」
ガチャ
妹「……あ?」
俺「妹!!」
妹「……生きてたんだ。しぶといね。」
俺「死ぬかと思ったよっ!!」
妹「それよりさぁ」
俺「待て待てっ!話を始める前に俺を殺そうとした事に対する謝罪を―
妹「はい?」
俺「あ、いえ…なんでもないです……………。」
30 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:15:11.71 ID:CuaF0uSq0
妹「あのさ…」
妹「私から無断で物パクるとかどういうつもり?」ヒョイ
俺「あっ!俺のイヤホンっ!」
妹「じゃないでしょっ!?私のっ!!」
ガンッ!!
俺「グェッ!」
妹「で?なんでパクったの?」
俺「…す、すまん。リスニングの勉強しようと思ってたら……、俺の使ってたイヤホンが壊れちまってて…」
妹「…本当に?………」
俺「ほ、ホントだよ!!」
妹「百歩譲って本当だったとして、勝手に持ちだしていいと思ってるわけ?」
俺「…駄目……だと……オモイマス……。」
妹「で?」
俺「…ぇ」
妹「何か言う事ない?」
俺「ぁ……。」
妹「……」
俺「そ、その…。勝手に持ち出して…ごめん。ごめんなさい。」
妹「………。」
俺「………。」
妹「ん」ポイッ
俺「…うぉ!」パシッ
31 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:15:44.03 ID:CuaF0uSq0
俺「え?」
妹「それ貸したげる。」
俺「……いいのか?」
妹「その代わり、壊したり雑に使ったりしたら前から欲しかったティ○ックのヘッドホン買ってもらうから」
俺「え?なんのヘッドホンって?」
妹「いい?!約束だからねっ!?」
俺「うわっ!! わ、っわかった!………大事に使うから。」
妹「ん」
バタン
俺「………」
俺「機嫌がいいのか悪いのか……。」
俺「どちらにせよ貸してもらえて何よりだけど。」
キュ キュ
イヤ「とんでもない約束をしてしまいましたね。お兄様」
俺「え?」
イヤ「私を壊したり雑に使ってしまうと時価10万円近くするヘッドホンを買わなくてはなりませんのに。」
俺「はっ!?」
イヤ「それをあっさり承諾してしまうだなんて/// よっぽど私を取り戻したかったのですね?お兄様///」
俺「そんなに高いのか!!? 返してくるわ。」
イヤ「お兄様っ!!」
32 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:16:15.27 ID:CuaF0uSq0
イヤ「まったく…再会のムードが台無しです。」
俺「なんでヘッドホンが10万円もするんだ…」ブツブツ
俺「あ、そうだ。 俺が気絶してる間、妹にバレなかったか?」
イヤ「何がですか?」
俺「何がって……、イヤが意思を持ってるって事。」
イヤ「私が一切声を出さなければ、ただのイヤホンですよ。」
俺「そ……そうか。それじゃあバレてはないんだな。」
イヤ「心配性なのですねw お兄様♪」
俺「そりゃイヤホンが意思を持って会話も出来るなんて普通ありえないんだし…。」
イヤ「それもそうですねw」
俺「あ、それより妹ってなんで泣いてたんだ?」
イヤ「ふふっ。やっぱり気になりますか♪」
俺「え?ぁ、いや、な、なんとなくだよ。他意なんかねえからなっ?!」
イヤ「はいw そうでしたね。 別に心配とかしてるわけではないのですよねぇ♪?」
俺「……なんか腹立つ言い方だな…。」イラッ
イヤ「申し訳ありません。ムキになって否定されるお兄様がちょっと愛らしく見えてしまいましたので」テヘッ
俺「………。」
カチャ!
イヤ「はぁうん!」
33 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:16:46.12 ID:CuaF0uSq0
俺「……。」
イヤ「ちょっ!?お兄様ッ?!」
スポッ カチャ スポッ カチャ スポッ カチャ
イヤ「ふあぁぁんぁ///」
スポッ カチン スポッ カチン スポッ カチン
イヤ「んぁあ!お、お兄様ッ!!どこからウォークマン取り出したのでs///あぁあ!!止めてッ!あ゛ッ///駄目ッ//抜き差しやめて下さっああああああ―」
…
イヤ「ハァ……ハァ……ハァ……///」
俺「あんまりからかうと俺も怒るからな。」
イヤ「大変……し、失礼致しました/// イヤホンの分際で調子に乗りすぎました。お許し下さい。」
俺「とにかく俺は妹に対して心配とかしてないからっ!!」
イヤ「…はい。」
俺「でも、俺もちょっとやり過ぎた…。ごめん。」
イヤ「いいえ? こんな怒り方でしたら…/// いっそドSになっていただいても……///」
俺「…………。」
イヤ「……………。」ニヤ
34 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:17:29.87 ID:CuaF0uSq0
俺「てか、なんでジャックの抜き差しでイチイチ変な声出すんだよ…。」
イヤ「そ、それは/// その……抜き差しの刺激がこんなにも凄いとは思っていなかったもので///」
俺「………。」
イヤ「殿方というのはアレの際、思っている以上に苦労されているのですね。お兄様。」
俺「…………。」
イヤ「あぁ、もしウォークマンさんに私にような意思があれば、今頃……////」
俺(…………妄想モード入っちまった…。)
イヤ「ネーミング的にウォークマンさんは男性ですよね。女性である私が男性のウォークマンさんを激しく突き立てる…っ///」
俺「……………………。」
イヤ「いいですねっ!!!コレっ!!!」
俺「…もういい。」
イヤ「なんでちょっと引いてるんですか!?」
俺「ちょっとどころかドン引きだよww 一体何の話だよw」
イヤ「いや…ですから。男女の立場が入れ替わる的なシチュエーションですよ…。」
俺「……は?」
イヤ「つまりっ♪女性が男性を―
俺「いい!それ以上言わなくていい!!もう、わかったから。………というか」
イヤ「はい?」
俺「……イヤ……お前キャラぶれてきてないか…?」
イヤ「私はぶれてなんかいませんよ?むしろ本来こんな性格です。まぁ、今までさんざん猫か―――」
俺「え?」
イヤ「あ〜…いいえ、なんでもありません。」(棒)
俺「………………」カチャ
イヤ「ひゃああぁん///」
俺「吐けっ!今なんて言おうとした!!」カチャ スポッ カチャ スポッ
イヤ「ああぁっ!!何でも//ひゃんっあああぁあ///」ビクビク
イヤ「ハァ……ハァ……///(喜)」ビクビク
俺「なんで嬉しそうなんだよ………」
イヤ「もっとしていただいても…/// いいですよ?ハァ/// ハァ///」
俺「逆効果……だと?!………」
35 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:18:01.75 ID:CuaF0uSq0
イヤ「ごほん…。それでは冗談はコレくらいにして………お兄様?」
俺「え?」
イヤ「コレからわたくしが、お兄様にお説教させていただきますっ!」
俺「だ、だからさっきのはごめんってば…。やり過ぎたって。」
イヤ「その事ではありませんっ!私の事などどうでもいいのですっ!むしろあんなのいつだって大歓迎ですっ!」
俺「……」
イヤ「私が言いたいのは妹様の事です!妹様のお部屋の扉を開ける時は、絶対!必ず!『ノック』して下さい!!」
俺「あ、いや。俺ノックしたよ?」
イヤ「開けた後にノックして何の意味があるのですか……。」
俺「だ、だって…………」
イヤ「だって?」
俺「………。」
イヤ「………。」
俺「…俺が悪かったです。」
イヤ「はい。非を認めるというのは立派な事です。以後、お気をつけ下さい。」
俺「…はい……。」
イヤ「お兄様が思っていらっしゃる以上に、女の子の部屋とは神聖な空間なのです。」
俺「…はい…。」
イヤ「今朝やった着替え中の入室なんて言語道断です。『親しき仲にも礼儀あり』ですっ。」
俺「………はい……。」
イヤ「どうかその辺りの意識を改めて下さいませ。」
俺「…はぃ…。」
イヤ「どうせ入るなら妹様が熟睡した寝込み頃を狙うべきです。」
俺「………はい…。 ………え?」
36 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:18:33.17 ID:CuaF0uSq0
イヤ「妹様が寝ている時であれば必然的に無防備・無意識なのですから、何の問題ありません。」
俺「…いや…あるだろ………。」
イヤ「何ならその無垢な妹様の頬にキスをしたって問題ありませんっ!!」
俺「ちょwwww 待てw!! 一体何の話をしてるんだっ?!」
イヤ「はい?」
俺「はい?じゃねえよww 妹にキスとか意味わかんねぇよww」
イヤ「…………」
俺「ww ………。」
イヤ「…………」
…
俺(あれ?…何?この間……)
イヤ「では―」
俺「?」
イヤ「では、『明日の朝までに妹様にキスをしなければ…死んでしまう』としたらどうします?」
37 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:19:04.59 ID:CuaF0uSq0
俺「は?」
イヤ「……。」
俺「どんな例えば話だよ。そもそもキスしなきゃ妹が死ぬって意味わかんねぇよw」
イヤ「……例えば………………の話ですよ。」
ゾクゾクゾクゾクゾクゾク
俺「うおぁ?!!?」
俺(なんだっ!この悪寒ッ!こんなの確か前にもっ!)
俺「っ!!…………ハァ……ハァ……」
イヤ「大丈夫ですか?お兄様。」
俺「…ぁ、ああ。」
イヤ「ふふw 申し訳ありません♪ 今の質問は忘れて下さい。」
俺「………。」
俺「ちょっと変な汗かいた……。シャワー浴びてくる。」
イヤ「はい。いってらっしゃいませ。」
38 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:19:36.10 ID:CuaF0uSq0
初めてイヤに対して恐怖を感じた。
俺が感じた悪寒は間違いなくイヤホンから感じたものだった。
俺はシャワーからあがってもイヤホンを付けなかった。
そう。俺は脅えていた。
イヤの例え話が、単なる例え話には思えなくて。
だから…………
俺は……………
39 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:20:06.97 ID:CuaF0uSq0
コンコン
「………」
俺「妹?」
コンコン
「………」
俺(寝てる…のかな)
コンコン
俺「妹〜?」
「……」
俺(部屋の電気も消えてるし…、寝てんだよな……)
妹「……」
俺(妹、ちょっと入るぞ?) バタン
俺(落ち着け…。俺は別に……キ…キスなんか…しに来たわけじゃない………)
俺(ただ……イヤの奴が変な例え話するもんだから……ちょっと…心ぱ……気になっただけだしな)
俺(暗いな……目が慣れるまで……ちょっと待つか…)
俺「……」
妹「すぅ〜……」
俺「……」
妹「すぅ〜……」
40 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:20:56.40 ID:CuaF0uSq0
●2分後●
俺(やっと目が慣れてきた……妹もぼんやり見えるな……。)
俺「……」
妹「すぅ〜……」
俺「……」
妹「すぅ〜……」
俺「……」
妹「すぅ〜……」
俺(……吐息……ちゃんと聞こえてるな…。大丈夫そうだな。)
俺「……」
妹「すぅ〜……」
俺「……」
妹「すっ…」
俺「……」
妹「……………」
俺「?!」
俺「い、妹っ?」
妹「……」
俺「おい!……」
俺「妹?」
妹「……」
俺(……息してるよな)
妹「ス……ス…」
俺(おいっ!?マジかよっ!微かにしか息していない気がっ!)
41 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:21:27.36 ID:CuaF0uSq0
俺「妹っ!おい妹起きろっ!!」ガサガサ ユサユサ
俺「起きろって!嘘だろ?!なあ目覚ませよっ!」
妹「……」
俺「し、心臓……心臓はっ!?」
パッ
俺(うおっ…妹……こんなにお○ぱい大きかったのか……)
俺(じゃねえええええええこんな時になに考えてんだ俺っ!氏ね!!!!)
ドクンッ ドクンッ
俺「っ!?」
俺(心臓は動いてるっ!!でも息は?)
パッ
…
俺(やっぱり微かにしかしてない気がする…)
42 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:21:59.92 ID:CuaF0uSq0
俺(心臓は動いても呼吸が十分に出来てないならヤバイ…っ)
俺(じ、人工呼吸っ……)
俺(ええいっ!!迷ってる場合か俺っ!!妹が死ぬかもしれないんだぞっ!!)
『チュ』
『スゥウウウーーー』
妹「ふぐっ!?」
妹「ゲホッ…!ゲフッ……ゴホッ!!!」
妹「な、なにっ?!」
妹「んなぁあ!?!?///」
俺「いっ、妹おおお!!」
妹「ァ…/// い、今……///……」
俺「妹っ!!」
妹「っ……」
俺「妹…大丈夫か!?」
妹「だ、大丈夫なわけあるかああああああああああああああああああぁああ」
43 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:22:31.24 ID:CuaF0uSq0
ガシッ
俺「痛ッ!首はっ駄目ッ…!!死ぬ゛ッ」
妹「死ねっ……このっ………馬鹿…。」
俺「マジでぐびは……ぐっ……」
妹「この変態っ!……夜這い魔ッ!!……ろくでなし!!」
俺(あれ?いつもより力が弱いな)
妹「…ゴミ屑ッ……でくのぼう………産業廃棄物ッ…………グスッ…」
俺「………。」
妹「………強姦魔………性犯罪者………ウゥ……グスッ……。」
俺「………。」
妹「…グスッ………アホ………ばか……。ばかばかばか……。」
俺「えっと……ごめん。」
妹「……ウゥ……グスッ………」
44 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:23:14.59 ID:CuaF0uSq0
妹「………。」
俺「え、えっとだな。」
妹「………。」
俺「言い訳みたいに聞こえるかもしれないけど、ちょっと妹の様子を見に来ただけだったんだ。」
妹「………。」
俺「ほ、ホントだからな!?」
妹「あのさ。」
俺 ビクッ
俺「はいっ!」
妹「私何も言わないから、本当の事教えて。」
俺「え?」
妹「………お願い。」
俺「あ……えっと……。……うん。ちょっと待っててくれ。」
45 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:23:45.46 ID:CuaF0uSq0
俺「これ。」
妹「…………。」
俺「こ、このイヤホンっ実は―」
妹「はいっ」グィ
俺「え?」
妹「こっち来て。コード届かない。」
俺「え?!ちょっ、お前コレ」
妹「ほら早く。」
俺「あ、あぁ…。」
妹「右耳に入れて。」
俺「あぁ…。」
俺(こ、これ恋人同士なんかがイヤホンの音二人で聞く時によくやるやつだよな……。)
イヤ「まるで恋人同士でございますねっ♪お似合いですよ?お二人とも。」
46 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:24:18.15 ID:CuaF0uSq0
俺「ちょっ!?」
妹「あ、このイヤホンが喋れる事は知ってるから。」
俺「え?!いつから?!」
イヤ「お兄様が私を盗み出したあの日からですよw」
俺「マジか……。」
妹「………。」
イヤ「それにしてもよかったですね妹様。無・理・矢・理奪われて♪」
妹「っ!」
俺「え?」
イヤ「ふふw 今回の件、簡単に一言で申しますと、妹様の「欲望の暴走」という事になりますっw」
妹「………。」
俺「は、はぁあ?!」
イヤ「お兄様も兄妹として一緒に暮らしている割に少々勘が鈍すぎるかと思いますよ。」
俺「え?」
イヤ「そこにいる妹様は……お兄様にゾッコン惚れているのでございます♪」
47 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:24:49.63 ID:CuaF0uSq0
俺「………はい?」チラッ
妹「………ゥゥ///」
俺「え?!」
俺(ちょ、なんだよこの反応。)
イヤ「ふふふw」
俺「ちょっと待て待て!おい妹っ。イヤ…こ、このイヤホンに……弱みでも握られてるのか?」
イヤ「妹様の弱みなんて私は握っておりませんよ。」
俺「本当か?!妹っ!」
妹「…うん……。このイヤホンさんは…関係ないよ。」
俺「嘘だろ…。ってか妹、そもそもお前俺の事嫌いなんじゃ―」
妹「そんなハズないっ!!!」
俺「んぅお!?」
妹「私はお兄ちゃんを嫌いになった事なんてっ、一度もない!!」
…
妹「ハァ………ハァ………ハァ………」
妹「ぁ///」
イヤ「はぁ〜い♪よく言えました。」
妹「ハ…/// ハゥァ……///」
48 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:25:23.75 ID:CuaF0uSq0
俺「じょ、冗談だろ?!だってお前俺に文句ばっか言うし!いつも怒ってるし!首絞めてくるしっ!」
イヤ「いえいえ、ですから。この子はお兄様と戯れたいだけなんですよ。」
俺「はぁ?!」
イヤ「そもそもこの子。お兄様の事を馬鹿とか変態だとか罵っていますけど。」
妹「っ…」
イヤ「この子の方がよっぽど馬鹿で変態ですよ?」
俺「ちょっ!」
イヤ「ですよね?♪」
妹「っ……くっ……っ」
俺「待て待てっ!撤回しろって!妹が怒った時に痛い目みるのは俺なんだぞっ!!」
イヤ「ほらっ、さっさと言いなさいよ。『私は実の兄に恋してしまった変態です』ってね。」
俺「やめろって!」
妹「わ、……/// 私は…///」
妹「私は…お兄ちゃんに……恋をしてしまった…変態です///」
妹「……///」
俺「なっ…」
イヤ「お兄様。まだお気づきにならないようですので、私が教えて差し上げます。」
イヤ「この子は、Sのフリをした真性の『ドM』なんですよ。」
俺「えむ…って……」
イヤ「いつもお兄様に怒ったり叩いたり締め上げたりしているのは、お兄様に反撃からです。」
俺「…………」
イヤ「それにお兄様、妹様に首を絞められている時、本気で抵抗していませんよね?」
49 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:25:55.24 ID:CuaF0uSq0
俺「え………」
イヤ「本気で振りほどこうとすれば簡単に抜け出せるはずですよ。所詮はか弱い女の子の筋力なのですし。」
俺「………」
イヤ「何故そうしなかったのか…当てて見せましょうか?」
俺「………」
イヤ「お兄様は、本当の自分を押し殺していらっしゃるのですよね?」
俺「………っ」
イヤ「妹様の憤慨を粛々と聞き入れ、謝り、受け流す。」
イヤ「その割には妹の部屋にはズカズカ入る図々しさ。妹のモノを無断で持ち出す傲慢さ。」
俺「…………」
イヤ「お兄様。あなたは妹の事を恐いだなんて、実は微塵も感じていませんよね」
俺「………やめろ」
イヤ「慈悲や優しさ溢れるお兄様は、妹様に支配権を譲って差し上げているだけで。」
俺「………やめろっ」
イヤ「あなたは、本当は妹様を―
俺「やめろおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」
ピッ ピッ
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!
俺「もうそれ以上言うなっ!!何もしゃべるなあああああああああ!!!」
俺「ハァ………ハァ………ハァ………」
50 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:26:26.33 ID:CuaF0uSq0
妹「お兄ちゃん…」
俺「…………。」
妹「……お兄ちゃん……私」
俺「もういいんだぞ。あいつの言いなりになる必要なんてない。」
妹「………お兄ちゃん…。ごめん。あの子の言ってた事、信じられないかもしれないけど、本当だよ。」
俺「……。」
妹「私はお兄ちゃんが好き。」
51 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:26:57.07 ID:CuaF0uSq0
俺「……。」
妹「言わされてるわけじゃない…。私の心からの本心……。」
妹「私は昔からお兄ちゃんに叩かれたいって、嬲られたいって、躾られたいって思ってた………。」
妹「今日なんて部屋でお兄ちゃんにレ●プされる妄想しながらオ●ニーしてたんだから…」
妹「でもお兄ちゃんは優しすぎるから……そんな事してくれるはずなくて。」
妹「だから私はお兄ちゃんを一生懸命怒らせる努力をした……。」
妹「……でも結局、全然怒ってくれなかったね。」
俺「…………」
妹「こんな妹でごめんね…。気持ち悪いよね……。」
俺「そんな事ないよ。」
妹「……ふふw やっぱり優しすぎるや。お兄ちゃんは。」
俺「そうじゃなくてさ。俺のほうがよっぽど変態だからな。ひとの事言えないってだけだよ。」
妹「え?」
俺「へっw もうこうなったらヤケクソだな。ちょっと待ってろ。」
52 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:27:32.69 ID:CuaF0uSq0
俺「ほらっ」 カチャカチャ
妹「え?なにこれ」
俺「俺が隠し持ってるAV」
妹「『近親相姦 〜妹監禁24時〜』『妹陵辱生活』『ねぇお兄ちゃん!子作りしよう?!partV』」
俺「変態の度合いじゃ俺も負けてないと思うぞ。」
妹「お兄ちゃん……私を犯したかったの?」
俺「…な?……十分変態だろ?」
妹「…………。」
俺「…………。」
妹「…………へへw」
俺「…………ふふw」
妹「やっぱり私達兄妹だねw」
俺「間違いないなw」
妹「ねぇお兄ちゃん」
俺「ん?」
妹「たまには………一緒に寝ない?」
俺「あぁ、いいよ。」
妹「じゃあ、こっちきて♪」
俺「うん。」
俺「というか、その『お兄ちゃん』っていうのくすぐったいからやめろ」
妹「嫌だw ずっとこう呼びたかったんだもん」
イチャイチャ
母「……やれやれ。世話が焼けるわホント。 アイタタタタ……」
―完―
53 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:41:13.85 ID:hm8cawBN0
おつ〜
個人的には面白かったよ
見てるよー
続けてー
55 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 02:49:22.38 ID:zOufiD1z0
面白かった
56 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 03:16:37.95 ID:V2By40t80
記念
良かった!
58 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 07:59:48.51 ID:4T1hKvhQ0
イヤホン抜き差ししながら10分経過した
まだイヤホンは喋らない
60 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 08:02:56.01 ID:4T1hKvhQ0
ちょっとイヤホン喋るまで修行してくる
61 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 08:37:49.44 ID:XlHhEXzs0
乙。おもしろかった
イヤホン喋んないかな
62 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 09:06:07.21 ID:c+8L9nOy0
ちょっとイヤホン買ってくる
もしも喋ったらイヤッホーンって喜ぶ
63 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 12:54:27.49 ID:dObM5pr20
いいね
64 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 13:19:33.57 ID:Vd9mLlRf0
抜き差しで声出してたのが母だったと思うと吐ける
65 :
名も無き被検体774号+:2014/01/18(土) 16:41:32.04 ID:0e7Nk8/W0
>>62 【審議中】
|∧∧| (( ) ) (( ) ) ((⌒ )
__(;゚Д゚)___ (( ) ) (( ⌒ ) (( ) )
| ⊂l l⊃| ノ火.,、 ノ人., 、 ノ人.,、
 ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄ γノ)::) γノ)::) γノ)::)
|.|=.=.|| ゝ人ノ ゝ火ノ ゝ人ノ
|∪∪| ||∧,,∧ ||∧,,∧ || ボォオ
| | ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
| | ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
~~~~~~~~ | U ( ´・) (・` ). .と ノ
u-u ( ) ( ノ u-u
`u-u'. `u-u'